「うわあああーっっ!」
友人が雄叫びを上げながら老婆の脇をすり抜け廊下に逃げた!
やられたあ!と思った!
油断させて最初から一人で逃げる算段をしてたのかもしれない。
残されたこっちはたまったもんじゃない。
もうかなり接近してたし、同じ手は通じないんじゃないかとも思った。
これは話を聞いてるだけならいくらでも対処できそうに思えるでしょ?
でもその場にいると本当に絶望的に感じたんだよ。
あの時は生きた心地がしなかった。
その証拠に、僕は老婆の顔が見えそうになったあたりで気絶してしまったんだ…
本当に人生で気絶したのは初めて…
しかも、気づいたらなんともう朝方だった。
さらに驚いたのはなぜか階段の途中で気絶してたんだ。
眠気が引いて状況を把握すると、とにかく一目散に表に飛び出した!
朝靄がかかっていてまだ薄暗いながらも、陽の光があれだけ頼もしく感じたことはないね。
ろくに振り向かずに急いで車の停めてある場所に行くと、友人の車は停まってなかった…
ご静聴ありがとうございました…
あっ、結局どうやって帰ったか?
仕方ないから歩いて県道まで下りたよ…(笑)
賑やかな車の流れる通りに出てやっと一息つけた感じだったね。すぐ目についたコンビニに入ってトイレを借りて飲み物を買った。
禁煙してたけど煙草も買って駐車場の吸い殻の前でしゃがんで何本も吸っちゃったね。
ああいう時の煙草はいいもんだね。
禁煙もそこで失敗しちゃった。
ハハハハ…
/
茉菜の話を聞き終えると、率直にいい怪談話だと思った。
「私も実際体験してたら気絶したと思う」
「聞いた時に作り話だとは思わなかった?」
「思わなかった。だって作り話なら自分を気絶させないと思う」
なるほど…素晴らしい指摘だ。
「もっとディテールまで色々尋ねたくなるよね」
「来年来られないかリクエストしとこうか?お母さんがさっきのおばさんと仲いいから」
物は試しによろしくと頼んだ。
























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。