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心霊

カラカラさんさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

無邪気と廃墟
長編 2026/10/30 16:08 414view

そして数年後、その母親も家の中で亡くなっているのが発見されたそうです。

「それ以来、あの家には誰も住んでない」

父はそう言って、私の頭を撫でました。

「もう近づくんじゃないぞ」

私はその夜、なかなか眠れませんでした。

あの女性の笑顔。
クッキーの味。
そして最後に聞こえた女の子の声。

考えれば考えるほど、怖くなりました。

それから数日後。

学校から帰る途中、あの家の前を通りかかりました。

庭には相変わらず雑草が生い茂り、玄関先には錆びた自転車が倒れていました。

ふと、縁側に目をやると、障子が少しだけ開いていました。

その隙間から、白い手が出ていました。

手には赤いゴムボールが握られていました。

私は怖くなって、走って逃げました。

その日の夕方、母が近所のおばさんから聞いた話を教えてくれました。

あの家で亡くなった女の子は、生前、赤いゴムボールがお気に入りだったそうです。

いつも庭で一人遊びをしていて、近所の子供がボールを飛ばしてくると、嬉しそうに拾って返していたらしい。

そして、母親が亡くなる少し前。

近所の人が家の中から、こんな声を聞いたそうです。

「お母さん、今日はお友達が来たよ」

その後に、母親らしき声で、

「そう。よかったねえ」

と返事があったそうです。

私はその話を聞いて、背筋が凍りました。

あの女性は、私を娘の友達だと思っていたのかもしれません。

そして、あの女の子も私と遊びたかったのかもしれません。

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