冬休みが始まり、とうとう帰省する日が来た。
石田君と2人で電車とバスを乗り継ぎ実家を目指す。
大学の最寄駅に集合したが、その際石田君の荷物が妙に多いと思って指摘すると、
「はい、初めて先輩のご両親にお会いしますし、寝泊まりさせていただくので、ご挨拶とお礼の意味でお土産などたくさん買ってきました。」
手に持っている紙袋を見ると新宿とかにある百貨店のものだった。
そんな紙袋を2個も3個も持って手が塞がっているので、それでは歩きにくいだろうと思い彼の荷物の半分ほどを半ば強引に奪って持ってやることにした。
「悪いですよー」と抗議の声をあげているが無視した。ゴツい先輩が、いたいけな後輩に荷物を持たせていると誤解されるのは勘弁だ。
昔からイカつい見た目で損ばかりしてきたので、逆にそういうことはいつも気にするようにしている。
6時間ほどかけて実家にたどり着くと、玄関まで母がやってきて驚いた顔をしていた。
「後輩の子を連れてくるって言ってたけど、彼女さんなの?」
「いや、可愛い顔してるけど石田君は男だよ、母さん」
「え?今なんて?」
「まあ、そうなのね、ごめんなさいね。あんまり可愛いからおばさん勘違いしちゃったわ」
「いえいえ、お母様、ご厄介になります。あ、こちらお土産です」
「え?こんなにたくさん?ご丁寧にありがとうね。後でみんなでいただきましょうね」
とりあえず石田君を客間に案内して荷解きをさせる。
「かなり広いですけど、僕だけでこのお部屋使っていいんですか?」
「ああ、俺は自分の部屋があるから。この部屋は好きに使ってくれ」
「・・・そうですか。ありがとうございます」
その日の晩御飯は母がかなり腕を振るったのだろう、大変なご馳走になった。
「お母様、どれもすごく美味しいです!!」
「あらあら、ありがとう。こんな可愛い息子が欲しかったわねー。うちのはこの通りゴツいでしょー。いっそうちの子になっちゃわない?」
「なります!」
そんな微笑ましい社交辞令を交わすほど石田君と母は意気投合したようで安心した。
もしかして石田君は料理の上手な女性が好きなんだろうか?
翌朝、自分は倉庫から掃除道具を引っ張り出して、お社のお世話の準備を進める。
自分としても久しぶりなのでついつい気合いが入ってしまう。
石田君と喋りながら山道を歩き、お社に到着した。
本殿の鍵を開け、石田君と2人で中に入る。
本殿の奥には変わらず鏡が鎮座している。
























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