その後は父に代わって積極的にお社のお世話をするようになりました。
高校2年のとき、オタク友達の畑中君にお社の話をするとぜひそんな女神がいるなら俺も見てみたいというので、お掃除の手伝いの名目で彼を本殿に招きました。
いつものように鏡を覗き込むと、やはりいつものようにあの美しい顔が微笑みかけてきます。
隣の畑中君の様子を伺うと、呆けているのできっと彼も女神様を見れたのだろうと満足しました。
本殿を出て、
「な、言った通り美人だったろ?」
「こころちゃんだった・・・」
「え?」
「『まじかる♡こころん』の夢咲こころちゃんが映っていたんだよ!」
「それって、数年前にニチアサでやってたやつ?」
「そうだよ!アニメが終わった今でもこころちゃんは俺にとっての最高の女の子なんだよ。それにしても鏡越しとはいえこころちゃんに会わせてくれて本当にありがとう!」
鼻息荒くして興奮する畑中を見ながら気づいた。
この鏡の中に絶世の美女の女神がいるわけではなく、鏡を見た者にとっての理想の姿が映っているだけなんだと。
その後自分は大学で東京に進学し、オカルト研究会に所属した。
オカ研に入った理由は実家のお社について考察を進めたいという真面目な理由もあったが、新歓コンパでお社の話が異常にウケて、女子の先輩たちに囲まれたという不真面目な理由もあった。
実際オカ研の雰囲気は自分に合っていたようで、気づけば自分は3回生、サークル内でも責任ある立場になっていた。
そのため4月にはサークルのために新歓に勤しみ、多くの新入生に声をかけて回った。
その時自分が声をかけて入部してくれたのが石田君だった。
彼は中性的な顔立ちで、間違いなく相当なイケメンと言ってよいレベルだった。
そのため部内だけでなく学内から彼にアピールする女子が後を絶たなかった。
しかし彼はどの女子とも付き合うことはなかった。
一方でなぜか自分は石田君に妙に懐かれており、よく2人で心霊スポットを巡ったり、互いの部屋で飲み明かしたりして女っ気のないモラトリアムを大いに楽しんでいた。
多くの女子からは恨みがましい目で見られているのは気づいてはいたが、石田君はイケメンなだけではなくとても素直で先輩としても可愛がりたくなるような、そんないい奴だったので仕方のないことなのだった。
それにしてもことごとく女子からの誘いを断っているが石田君は相当の面食いなのだろう。
彼のタイプが気になった自分は石田君に「実家で管理している例のお社のお掃除を冬休みに帰省してやるんだけど、オカルト研究のフィールドワークにもなるし、手伝ってくれない?」と持ちかけた。
すると石田君も非常に興味を持ってくれたようで、
「サークル内でも有名なあのお社の鏡ですよね!ぜひお手伝いさせてください!」と快諾してくれた。
「うち相当の田舎だから宿とかないから、うちに泊まってもらうことになるけど大丈夫かな?」
「え?先輩のご実家にですか⁉︎」
「あ、やっぱり嫌かな?」
「いえいえ、そんなことないです。楽しみにしてます!」
























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