だから私言ったよね？

玲子と初めて会ったのは合コンの時だった。

彼女の第一印象は透き通るような美人。

街中で見たら何人かは振り返るような美女だった。

合コンの最中も興味なさそうにテンションが低めで

代わる代わるアタックして行く僕の友達等も撃沈

お高くとまっているような感じで

とてもじゃないが中の下の顔面の俺にはどうにもできるはずもなかった

だから彼女が俺の携帯の待受を見て

「あっ犬飼っているんですか？」

と聞いてきたときはとてもびっくりした

俺以外の合コンメンバーの全員もびっくりしていた

何せこの合コンで彼女が初めてまともに発したのがその言葉だったからだ。

そのあとトイレに行った際に電話番号を聞かれた時はもっと驚いた。

正直ア○ウェイか宗教の勧誘をされるんだろうなと思っていたぐらいだ。

後日彼女から食事の誘いを受けた。

恐る恐る食事に行くとそこには前回とはうって変わって笑顔の彼女がいて勧誘どころかとても夢のような時間を過ごした。

「実は私あの合コン人数合わせで無理やり呼ばれちゃっただけで全然のりきじゃなかったんだ」

「ああいう場所に来るような人はあんまり好きになれなくて」

彼女は饒舌にそう語った。

「実は俺も人数合わせだったんだ、どう見てもああいう場にそぐわないでしょ？」

これは別に彼女に合わせたわけでなく事実だった。
イケメンの友達の引き立て役としてたまたま予定がなかった俺が選ばれただけだった。

「ふふっそうだと思った！」

「え？」

「ああ、変な意味じゃないのあなたはああいう場所に似つかわしくない誠実そうな人だと思ったの」

なんだかわからないが僕の事を気に入ってくれてるようだった

それから2人で飲みながら色々な事を話した

彼女は幼い頃両親をなくし施設育ちだったということ

大学を奨学金で卒業してアパレル関係の仕事をしていること　　

早く自分の家庭を持ちたいという事