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意味怖(意味がわかると怖い話)

おしのさんによる意味怖(意味がわかると怖い話)にまつわる怖い話の投稿です

意思の牢獄〜その牢獄の看守は誰なのか〜
短編 2026/08/31 12:13 102view

人間には意思がある。

嫌なものがあれば、顔をしかめる。
痛ければ声を上げる。
欲しいものがあれば、手を伸ばす。

それだけで、たいていのことは伝わる。

言葉。
文字。
表情。
視線。
身体の動き。

人間は、そうしたものを使って互いの意思を伝えている。

それらが使えなくなったとき、人間は別の方法を探すことがある。

ハンセン病患者が編み出した「舌読」という方法がある。

目が見えなくなっても、手足の感覚を失っても、舌に残された感覚を使って点字を読む。

外から情報を得るために、残された感覚を使う。

映画『ジョニーは戦場へ行った』では、戦争によって四肢を失い、視覚や聴覚、発声能力まで失った主人公のジョニーが、外へ意思を伝えるため、残された身体の動きを使ってモールス信号を送る。

人間は、ときに自分で鍵を作る。

しかし、自分で鍵を作れる人ばかりではない。

知的な発達の違いによって、複雑な方法を自分で考えたり、覚えたりすることが難しい人もいる。

だからといって、意思がないわけではない。

嫌なものは嫌かもしれない。

怖いものは怖いかもしれない。

欲しいものは欲しいかもしれない。

ただ、それを伝えるための鍵を、自分では作れないことがある。

そのとき、鍵を探すのは外にいる人間になる。

けれど、人間はときどき、鍵を探すことをやめる。

「何を考えているのか分からない」

そう言う。

分からないから怖い。

怖いから、関わらないほうがいい。

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