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呪い・祟り

ASAHIさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

おつたいさまをよろしくお願いします
長編 2026/04/29 19:19 171view

 屋敷の中は、さらに奇妙だった。古い木造の構造は保たれているけど、内部は完璧に現代化されている。
奥に通されながら、俺はざっと家を見渡した。リビングには最新型のテレビ。台所には高級なシステムキッチン。あまりにも、アンバランスな家。

「ようこそ」
義父が現れた。白髪交じりだが、エネルギッシュで、洗練された笑顔。豪華な紋付袴。
しかし目は、何かを測るように動いているように俺には見えた。

そのまま、神前式を行うという祠の前に参列者皆で移動する。
屋敷の裏から続く、石畳の先に、瑞垣に囲まれた、荘厳な祠があった。

そこで待っていた神主と合流し、神前式が始まった。
厳かな神前式だった。行事はつつがなく行われた。

誓杯の儀の時、祠の前で同時に、水あわせの儀が行われる。

お神酒と、両家から汲んできた水、それらが注がれ、杯の中で混じる。

違和感を感じて、後で調べてわかったことだが、
水合わせと、誓杯の儀は別々に行われることが通例らしい。この村独自の風習だろうか?

 兄貴が親指を上にして杯を両手で持ち、三口に分けて飲む。
新婦側の高齢の親族たちの視線が、刺すように兄の口元に注がれる。

兄貴が最後の一滴まで飲み干したのを見て、
一族の者たちが深く息をする音が聞こえた。緊張が解かれたため息。
儀式は終わる。祝いの言葉が上げられる。

 神主が社にお供えと一緒に奉納、参列者皆が笑顔になっている。
神事が終わった後、屋敷に戻り、お下がりを集まった参列者で分け合い宴会を行う。

和気あいあいとした宴だ。

親族年寄りたちの団欒の中、弟である俺の杯にも、日本酒が絶え間なく注がれた。
───今日は宿泊確定か。

想像通り、俺には豪華な部屋が与えられた。兄貴は奥さんと離れで二人きりだそうだ。
ああ、初夜か。二回目だけど、と俺はゲスな考えをしながら眠りについた。

 次の日の帰り際、奥さんの顔色が悪かった。二日酔いか?明らかにぐったりとしている。
いや、兄貴が張り切りすぎたのか・・・
一応持ってきていた胃薬や酔い止めの薬を渡し、3人で俺の軽に乗り込む。

親族の老婦人が頭を下げて、見送ってくれた。
けど、不思議な挨拶をされたのが気になった。

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