小夜子じゃない。違う。違うのに。
去っていく朝子ちゃんに、
ごめんね……ごめんね……と呟いていた。
4月30日
近所の方から、小夜子さんと呼ばれた。
ここはわたしが引っ越してきた田舎町のはずなのに、どこか違う。
空気の匂いも、家の色も、みんなの声も。
全部、昔のままみたい。
朝子ちゃんは言う。
「おかえりなさい。今日も遊びましょう、小夜子」
わたしはまひろ。
……まひろ、だと思う。
違う。違うのに。
記憶にない記憶が溢れ出す。
わたしは……小夜子?
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