奇々怪々 お知らせ

不思議体験

筋首さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

廃屋にあった日記帳
短編 2026/03/16 20:19 3,805view

4月24日
朝子ちゃんが玄関の前にいた。仕事帰りの深夜に。
笑っていた。真顔で。目だけ笑ってない。
「ひさしぶりになっちゃったね」
「遊ぶにはもう遅いかな」
「小夜子は、あたしのこと嫌い?」
わたしは意を決して言う。
「わたしはまひろよ。……まひろ。まひろ、だよね?」
朝子ちゃんが笑う。
「小夜子、もう思い出してるでしょ?」

小夜子じゃない。違う。違うのに。
去っていく朝子ちゃんに、ごめんね……ごめんね……と呟いていた。

4月30日
近所の方から、小夜子さんと呼ばれた。
ここはわたしが引っ越してきた田舎町のはずなのに、どこか違う。空気の匂いも、家の色も、みんなの声も。全部、昔のままみたい。
朝子ちゃんは言う。
「おかえりなさい。今日も遊びましょう、小夜子」
わたしはまひろ。……まひろ、だと思う。違う。違うのに。記憶にない記憶が溢れ出す。

わたしは……小夜子?

3/3
コメント(1)
  • あなたは小夜子?それともまひろ?どっちですか?夢にも出てくるってそうとうの恨みをもってそう

    2026/03/17/13:49

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