4月24日
朝子ちゃんが玄関の前にいた。仕事帰りの深夜に。
笑っていた。真顔で。目だけ笑ってない。
「ひさしぶりになっちゃったね」
「遊ぶにはもう遅いかな」
「小夜子は、あたしのこと嫌い?」
わたしは意を決して言う。
「わたしはまひろよ。……まひろ。まひろ、だよね?」
朝子ちゃんが笑う。
「小夜子、もう思い出してるでしょ?」
小夜子じゃない。違う。違うのに。
去っていく朝子ちゃんに、ごめんね……ごめんね……と呟いていた。
4月30日
近所の方から、小夜子さんと呼ばれた。
ここはわたしが引っ越してきた田舎町のはずなのに、どこか違う。空気の匂いも、家の色も、みんなの声も。全部、昔のままみたい。
朝子ちゃんは言う。
「おかえりなさい。今日も遊びましょう、小夜子」
わたしはまひろ。……まひろ、だと思う。違う。違うのに。記憶にない記憶が溢れ出す。
わたしは……小夜子?
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あなたは小夜子?それともまひろ?どっちですか?夢にも出てくるってそうとうの恨みをもってそう