二人は一階を撮影しながら進んだ。
その時。
カタン。
奥から、音。
二人は足を止めた。
カタン。
また。
カタン、カタン、カタン。
規則的。機械的。
「風じゃない」
Bが言った。
「何か動いてる」
音の方向へ進む。廊下を曲がり、また曲がる。
音は続いている。
だが。
近づいても、遠ざからない。
「おかしいな」
Bが立ち止まった。
音は、どこからともなく聞こえる。方向が定まらない。
二人は二階へ上がることにした。
階段は錆びている。手すりに触れると、赤茶色の粉が手に付いた。
踊り場で、Bが足を止めた。
「おい、あれ」
Bが指差す。
踊り場の隅。
誰かの靴が、揃えて置いてある。
黒い革靴。男性用。
新しい。
泥一つついていない。
「誰かいるのか?」
Bが周囲を見回す。
誰もいない。
Aは靴を見つめた。
なぜ、ここに。
なぜ、揃えて。
なぜ、新しい。
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