そうこうするうちに次はTの妻と子が病にかかりました。高祖父はTの子供と仲が良かったのでよく様子を見に行っていたそうです。その時のTの子供の様子は体中がやせ細り、骨と皮だけになっていたようです。高祖父をTの子供が見とめると元気そうに見せようとするのですが、高祖父には全くそうは見えませんでした。
さらに数か月して、Tの妻と子は亡くなりました。死因は餓死でした。やせ細り食べ物が食べられなくなったからだそうです。高祖父は葬式に参列しましたが、顔は見せてもらえなかったそうです。その時に見たTの様子はとても人の姿に見えなかったと言います。髪はやつれ眼窩は窪み、やせ細った姿でした。
葬式が終わり宴会をした帰り、八太郎に高祖父は連れられながら歩いていた時、ふと後ろを振り返り子供と女の後ろ姿が見えたそうです。その姿を見た高祖父は八太郎にあれは何か聞こうとしましたが、八太郎が『これっ!見るものではない』と頭を前に向けられたそうです。
それから三日後Tは首をつって亡くなったそうです。Tの葬儀は村人たちで細々と行いました。それからT家宅村人たちによって取り壊され、件の蔵も取り壊されました。
その日から村の中では女と子供の人影は現れなくなったそうです。それから村人たちは再度お鶴さんの祠に参りねんごろにお祭りしたそうです。
そうやって祖父が話し終えると。『どうだ?怖かったか?』と聞いてきました。私は『お鶴さんとその子供は今もおるん?』と聞きました。祖父は目を細めて『明日連れて行ったるから、はよ寝え』と言って私を寝かせました。
次の日祖父はお鶴さんの祠に案内してくれました。確かにその場所は村から車で20分ほどの場所で川沿いの小高い台地にありました。小さかった私はお鶴さんと子供がぁの世でも幸せに生きれるようにと願いました。祖父は最後にお鶴さんの話をもう一つ聞かせてくれましたがまたそれは機会があれば話そうと思います。
この前祖父の7回忌があったので思い出して書きました。ところどころ時代にそぐわないものもあるとは思いますが祖父もあまり覚えてないと言っていたので言葉は違うかもです






















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