集落を発つ際、男性、女性のどちらも見送りに来てくださったので、事情を話したが、面識はあったもののどちらもこの話を相手にしたことはない。と語った。再びこの集落を訪れることがあるならば、進展がないか彼らに聞いてみたいところである。
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追記
この話を編集の檜山さんにしたところ、彼女の地元にも「ハイロウの窓」なる怪談があるとのことだった。内容は彼女の母校の小学校のトイレで、深夜に窓に向かって「ハイロウさん、ハイロウさん、私も入れておくんなせ。」
というと異世界に入れる……と言うよくある学校の怪談だった。彼女はF集落の男性よりもさらに若く、富山県出身である。
これは完全に私の考察であるが、「ハイロウの窓」と言う名前そのものが一種の怪異であり、この怪異は長い時間をかけて、少しづつ日本海沿岸を南下しているのではないだろうか。そして行き着く先で同名の怪談を生み出しているのではないだろうか。今後富山、石川などに行くことがあれば、ハイロウという言葉を探したい。
※ ある民俗学作家の遺した原稿より抜粋
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