壁を見たままの状態でも分かる。
母は笑っていた。歯を剥き出しにしたまま。
『謝らんとやろ』
母の頭がぐるんとこちらを向いた。
叫び声を上げた僕はリビングを飛び出し2階の自分の部屋に駆け込んだ。
部屋の扉を閉めてベッドに飛び込むと頭から布団を被って息を殺した。
全身を震わせながら一体どのくらいの時間が経っただろうか。
恐る恐る布団から顔を出した僕は思わず息を呑んだ。
閉めたはずの部屋の扉が開いていた。
大きく口を開けた扉の向こうに真っ暗な廊下が続いている。
その途端、廊下の向こうの階段を誰かが凄い勢いで駆け上がってくる足音が聞こえた。
低い男の唸り声と共に近づく足音はすぐに2階に到着しこの部屋へと直進してくる。
咄嗟に部屋の扉を閉めようと駆け寄る僕の目の前まであのおじさんが迫っていた。
おじさんが部屋に入ってくるギリギリの所で僕は勢いよく扉を閉めた。
と思った矢先、扉の下の方に何かが挟まっているのが見える。
あの時の石が扉が閉まるのを阻んでいた。
「ひ…ご…ごめんなさい…」
涙をボロボロと溢しながら恐る恐る顔を上げると、扉の隙間からグシャグシャに笑ったおじさんの顔がこちらを覗いていた。
“ミッケ”
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想像してみたらやばい
ちゃんと謝ろう
怖いけどなんでオバサンが死んでお母さんも取り込まれたのに逃げるだけでちゃんとは謝らないの?
怖すぎるて寝れん