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不思議体験

森。さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

逃げられない話
短編 2025/08/07 23:52 1,235view

それに、夢の話なんて曖昧だし、現にそれぞれディティールも少しずつ異なっている。

余談だが、この夢を見た全員にはある共通点があった。これは後々調べて分かったことだが、全員夢を見る直前に関東地方の某有名な公園を訪れていた。ただしこの公園自体に何の曰くもないし、事件事故の記録もない。ただの偶然の一致かもしれない。

つまりこの話は
”偶然似たような不気味な夢を見た人間が、偶然同じ場所を訪れていた”
というだけの、なんとも落ちの無い話ということである。

ちなみにこの話を投稿するまでの数か月の間に私はこの夢を覚えているだけで4回は見た。
そのどれも少しずつ違っていて、一番直近の夢では、座敷いっぱいに並んだ喪服姿の男女が全員正座のままこちらに背を向けて
「ありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとう」
と唱えている夢だった。

私はこの夢をいつまで見続けるのだろうか。

この夢を見た残りの3人も、同じようにこの夢を見続けているのだろうか。

あの日法事で会った親族の男性は、あの日から約1か月後に自宅アパートで孤独死しているのを発見された。
発見されたとき、部屋から強烈な線香の臭いがしたそうだ。仏壇もないのに。
それと、アルバムが一冊開かれており、彼の幼少期の白黒写真の顔が真っ黒に塗りつぶされていたそうだ。

この話を聞いたからと言ってこの夢を見るとは限らない。
この夢を見たからどうなるともわからない。
あの公園との関係も不明だ。

だが私はあの夢のことを思い出す度に、不気味、気味の悪さ以上のとてつもない何かを感じてしまうのだ。

拙い文章で申し訳ないが、これが私が囚われている夢の話である

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