Sさんの友人の葬式が終わった後
酒が好きだった故人を偲んで
Sさんたち五人が集まり飲み会をおこなった
席を六つ取り故人の席を決め
そこにも水割りを注いだグラスを置く
最初はしんみりしていた席も
飲むに従って全然関係ない話しで盛り上がってきた
ふっと気がつくと故人の席の水割りが
氷だけ残して空になっている
「おーい、誰か間違って飲んだなぁ」
誰かがそう言ってグラスにウイスキーを注いだ
また話しに夢中になり
ハッと気付くとグラスが空になっている
二度三度、同じことがおこり
変だな?と全員が思い始めた・・・
一度このグラスの中身が無くなる瞬間を
見てみたいという好奇心から
一同はグラスにウイスキーを注ぎじっと見つめた
グラスに変化は生じない
氷が解けだしたがまだ何ともならない・・・
「何もないなぁ・・・」っとみんなが顔を見合わせた瞬間
水割りはなくなっていたのである・・・・
「きっと彼もみんなの話しをニコニコしながら聞いて
一緒に水割りを飲んでいたのだろう」
っとSさんは当時を思い出してそう言った・・・・・・
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