鳥肌が立った。
録音記録には音声が入っていない。だが、私のノートにいつのまにか、こう書き込まれていた:
「おまえの声も、もう俺のもの」
【事件報告:4月6日 未明】
Nの部屋のカメラ映像が4時間以上上書き不可状態に。
午前3時ごろ、職員が部屋を確認した際、Nは姿を消していた。
窓も施錠、廊下にも足跡なし。
ベッドには一冊のノートが残されていた。
表紙の裏に、ただ一言――
「うしろから喋ってるのは誰?」
【補足:この記録を読んでいる方へ】
もし、これを最後まで読んだなら――
音を立てないで。
笑わないで。
何も返事しないで。
喉の裏で、あなたの声を借りようとしてる誰かが、今も待っています。
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