…撮られた覚えなんてないのに。
背筋が冷たくなって、「出よう」って言った俺に、あいつが「まだおる」って言った。
「え?」って聞き返した時には、あいつの姿が見えなかった。
周りを見回したけど、どこにもいない。
俺は恐怖で叫びながら階段を駆け上がって、なんとか地上に出た。
あのドアは、その日を境に見つからなくなった。草をかき分けても、どこにもなかった。
あいつは、次の日から学校に来なくなった。
先生に聞いても、誰もそんな奴知らないって言う。
卒業アルバムにもいない。
でも俺の机の中に、一枚だけ写真が入ってたんだ。
白線の上を、俺と、もう一人の後ろ姿が歩いてる写真。
裏に、鉛筆でこう書かれてた。
「19人目」
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