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呪い・祟り

たちさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

テレビのない家
短編 2025/07/06 01:21 3,459view
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テレビを観てるとまたどこかに映るのではという不安からテレビを家から無くしたのか。
考え過ぎではないかと思うが、余程2人はそれが気持ち悪く、恐ろしかったからテレビを撤去したのかと考えると納得はいく。
今まで明確な説明がなかったから余計に。

詳しく話を聞くと、前の妻というのは祖母も知っている人で事故で亡くなり、その後祖母と結婚したという。
事故の原因は祖父の危険運転だったそうだ。
祖父は幸いにも生き残ったが前妻は亡くなってしまったのだという。
そして、最後に、祖母から意外なことを伝えられる。
「あの時、テレビ買おうとしたの。あんたがテレビなんでないの?ってじいさんに聞いたでしょ?覚えてる?あの後に、2人で話をして、あんた達のためにテレビを買おうと思ってお店に行ったんだけど…選んでる時に、また映ったのよ。あの人が。それを見て、買うのをやめたの。あんた達に何かあっても困るしね。」
私と妹は静かに話を聞くしかなかった。
祖母はその後、部屋に戻り、就寝した。
それから数年後、祖母も亡くなってしまった。

私は進学のために卒業後は家を出ることに。
卒業前にテレビを買おうと再度提案した。

3人家族になるので、少しでも賑やかになってくれればと思った。
そして、まずはリビング用に一台、中古を購入した。
他の人からすると、それは普通の光景だが、私達にとってはとても新鮮だった。

家を出る数日前。
私は1人、リビングでテレビを観ながらスマホをいじっていた。
すると突然、番組が変わり、相撲の画面に。
「え?チャンネル変えてないのに。もしかして、中古だからか?やっぱり新品じゃないとダメかな」と思いながらリモコンを操作したがチャンネルは切り替わらない。
何度もリモコンを操作したがダメだった。
諦めて、ふと、視線をテレビに向けると、何か違和感を感じた。
「ん?ずっとこっち見てる人いる?」
よくよく観ていると、画面の端の方に祖父が無表情でこちらを見ていた。
私は全身に鳥肌が立った。
「え?じいちゃん?」

そして、その後ろに知らない女性もこちらを見ていた。
2人共、土俵を見てないので妙に目立っていた。
私は急いで、電源を消そうとしたが消えない。
パニックになった私はテレビに繋がっているすべての配線を抜いた。
しかし、画面は消えなかった。
テレビを床に落としていた。
消えゆく画面から、
「ナニヲミテル。」
祖父の声に似た声が聞こえた。
物音に驚いた家族がリビングに集まり、呆然と私を見ていた。
「ダメだ。捨てよう。テレビはやっぱりダメだ。」
両親がそっと近寄り、
「これでわかっただろ?」と耳元で小さく呟いた。

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コメント(3)
  • 寝て無くって良かったった?そこ起きてなくって良かった!では?

    2025/07/06/04:12
  • 寝てなくて良かったではなく
    観てなくて良かったとありますよ(*^^*)

    2025/07/08/23:29
  • 相撲中継に罪はないのに…

    2025/07/13/17:47

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