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不思議体験

たちさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

夏休みの出来事
長編 2025/06/26 07:07 2,857view
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翌朝、早起きの子達のざわつく声で目を覚ました。
そして、少しずつ起きる子が増えていき全員が起床した。
人数を確認し、ふとユウタ君の方を見るとそこには誰もいない。
移動したのかなと思い、特に気にしていなかった。
その日は特に行事はないので後片付けをして帰宅する流れに。
後片付けをしていると、
「夜中、起きてトイレ行く子、多かったよ。」
とある保護者の方が言ってきた。
「そうだったんだ。でも、僕も夜中トイレに行きたくておじさん達起こしたけど全然起きなかったよ。」と伝えると周りの保護者は不思議そうな顔をしていた。
「そうなの?ごめん。気づかなかったよ。」
などと話していると、ある方が、
「たまたま、トイレに起きたとこ見たよ。」と言ってきた。

私が起きて、誰も起こさずトイレに向かっていたという。
「眠いからなのかわからないけど、フラフラ歩きながら何か喋っていたよ。後を追おうとしたけど、なぜが起き上がれなかったんだよね…」
と伝えてきた。
「そうなんだ。多分、ユウタ君って子と一緒にいた時かな。」
「ユウタ君?」
「うん。1、2年生くらいの子。」
そう伝えた瞬間、近くにいた保護者達が顔を見合わせてとても驚いている様子だった。

それからしばらくして、学校で各地区の集会があったので、
「そういえば、ユウタ君、いるかな?」と思い、見渡して探したが見つけられなかった。
休みかなと思い、集会後、先生に尋ねると、
「ユウタ君?この地区にユウタって名前の子いないでしょ。会長なんだからわかってるでしょ笑」と言われた。
私は夏休みの出来事を職員室で説明していると、長年この学校にいる先生が、

「ユウタ君?一年生くらいの小さい子かい?」
「はい。」
「そうか…」
「ユウタ君って子、いますよね?」
数秒ほど静寂があり、
「ユウタ君はいた。」
私は、いた?いるじゃないの?と違和感を感じて黙っていた。
その後、帰宅しなさいと促されたが、どうも納得がいかず、しつこくユウタ君のことを問いただしていた。
「こんなことを子供に言っていいのか…」
と言いながら黙っているので、
「ユウタ君って誰ですか?いたってなんですか?」と伝えた。
「10年くらい前にユウタ君という一年生はいたんだ。学校が大好きで。いつもニコニコしていた。だけど…家庭での積み重なる虐待で…」
その後のことは、察した。

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コメント(1)
  • ぎゃー怖

    2025/06/28/09:06

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