あれから私は、ほんの少しずつだけれど、自分の働き方を変えはじめた。
すぐには変わらない、職場の空気も、環境も、何も大きくは変わっていない。
でも、ほんの少しだけ自分を守るという選択肢が、心の中に生まれた。
それは、彼女が見せてくれたもの。
未来の自分の影。
もう二度と、あの目をした自分を、鏡の中に映したくないと願った。
だから、私は今も忘れない。
あの夜。あの病棟の、あの廊下に。
ひとり佇んでいた、彼女のことを。
そして――
たしかにそこに、私自身の姿が、重なっていたことを。
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