私は寝る前によく動画配信を視聴しているのですが、これはとある動画配信者の生配信中に起こった出来事です。
その配信者はオカルト関係を主に活動していて、ホラーゲーム配信や怪談の読み上げを行っている方なのですが、
私はそのしっとりとした、脳に染みわたってくるような声が好きで、
いつもその配信を楽しみにしていました。
ある雑談枠の時に「もう少し君ともお話ししたいな。」と言ってくださったのですが、
自分のコメントがなんだか、その配信者の話に対する雑音のように感じて、配信の最後に「お疲れ様でした」というコメントをするのが常でした。
そんなある日、ゲームの実況の際に起こった出来事です。
新しい視聴者が現れ、配信者が歓迎し、その新人がXでその配信者のファンアートををアップロードしたのです。
私は絵や音楽など何か芸術性を必要とする作品を生み出すことができない人間ですので、そういったことができる人は心底羨ましいし、賞賛に値すると思っています。
なので、これは褒めないと、と思い、そのアカウントにアクセスし、イラストを堪能した後でXでいいねを押して、配信に称賛するコメントを書き込んだのです。
その私の書き込みに配信者も即座に反応し、笑いながら「ありがとうねぇ!」と言ってくれました。
しかしその直後、
「ちょっと待って・・・〇〇くん(私のその配信サイトでの名前です)・・・〇〇くんがXにいるって事?」
「たぶん『いいね』してくれたってことは───
今『いいね』してくれた人の事、見れねーのかよ・・・クソ・・・」
正直、背筋が凍りました。思わず自分のアカウントに鍵がかかっているか(非公開になっているか)、確認したくらいです。
「〇〇くん・・・〇〇くんってさぁ・・・X繋がってる?」
私のヘッドフォンが小さなタイプ音を拾い上げていました。
「───いや、この名前じゃねぇな・・・」
「と、いう事は別の名前でやってるか───」
私は恐怖のあまり思わず「ノーコメント」という書き込みを打ち込んでしまいました。
「───んふふ・・・『ノーコメント』・・・」
「クソ! 絶 対 探 し て や る か ら な !」
「いつか!いつか!いつか! 見 つ け て や る か ら な !!!」
ヒッヒッヒッ・・・
その配信者の特徴的な笑い声だけが、怯えきった私のヘッドフォンに響いていました。
























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