奇々怪々 お知らせ

不思議体験

たちさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

古民家
短編 2025/03/12 01:10 2,215view
3

翌朝、母親に起こされ目を覚ました。
ガバッと起き上がり、障子を見たが穴はどこも開いていない。
「夢?か…?」
呆然としている私を見て母親が、
「どうしたの?寝ぼけてるの?ほら!起きて!」
と私の肩を軽く叩いた。

朝ごはんを食べ、軒下から畑をボーッと見ていると、
「どうした?ボッーとして〜」と祖母が話しかけてきた。
私は昨夜のことを祖母に話した。

「障子?どこも穴なんて開いてないよ。変わった夢見たねー」といつも通り優しく語りかけてくれた。
「あっ、…でも、昔…いや、なんでもない。早く忘れな」
そう言い残し、祖母ば立ち去っていった。
今日も泊まるかどうするか母親が相談してきた。私は昨夜のこともあったので泊まらずに帰ろうと伝えたが、母親と弟はもう一泊しようと言ってきた。それを聞いていた祖母が、
「今日は帰りな。また泊まりに来ればいい。」と言ってくれておかげで泊まらずに自宅に帰れることに。安心した私に気づいたのかどうかわからないが祖母はニコニコしながら私の方を見ていた。
夕方になり、祖父母に挨拶をして玄関を出ようとしたら祖母が近寄ってきて、
「夜のことは忘れなさいね。また泊まりにおいで。」と耳元で呟いた。
私は頷き、手を振りながら車に乗り込んだ。
帰路の途中、昨夜のことを母親に伝えると、脇で聞いていた弟が、

「全然、音なんてしなかったよ。ただ、夜中に目が覚めて、目を開けると兄ちゃんの足下に誰か立っていたのが見えたよ。目がしょぼしょぼしてたから目を擦ってまた見てみると誰もいなかった。見間違いだと思ったからまた寝た。」
と話してきた。
私はゾッとし、その話をすることをやめた。

その後、数回実家に泊まりに行ったが恐怖体験をすることはなかった。
その後、祖父母が亡くなり、泊まりに行くことはなくなったがお盆になるとたまにあの頃を思い出す。
祖母は何を知っていたのか、今となってはわからない。
ただ、私は忘れない…
恐怖体験をした翌朝、私の肩を叩いた母親の腕が何か紙で切ったかのような跡があったことを。

2/2
コメント(3)
  • 怖いよ。

    2025/03/12/06:01
  • すごい怖いですね!
    私も「なわとび」投稿したので良ければぜひ…
    投票しときました!

    2025/03/12/18:41
  • 意味怖ですか?
    たぶん…推測ですけど。
    おばあちゃんが犯人だったとかそこらへんですかね?

    2025/03/12/18:43

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。