そこには――
「中村」が立っていた。
翔太は思わず息を呑んだ。
「そんなはずはない……中村は死んだんだ……」
恐る恐る目をこすり、もう一度モニターを見る。
だが、そこにはやはり中村がいた。
顔色は異様に白く、笑っている。
そして、ゆっくりと唇を動かした。
「翔太……アケテ……」
ゾクリと背筋が凍る。
声は聞こえない。
だが、確かにそう言っていた。
翔太は恐怖のあまり、玄関から離れようとした。
すると――
「ガチャ」
玄関の鍵が、勝手に開いた。
翔太は急いでドアノブを押さえた。
「開くな、開くな、開くな……!!」
だが、扉の向こうからは異常な力で押し返される。
「翔太……アケテ……ナカマニナロウ……」
声が聞こえた。
確かに、すぐそこに”いる”。
「やめろ!!!」
翔太が叫ぶと、扉が**ドンッ!!!**と大きく揺れた。
同時に、部屋の電気が一瞬消え、真っ暗になる。
そして、次の瞬間――
「ギギギ……」
ゆっくりと、玄関の扉が開いてしまった。
そこに立っていたのは、やはり中村だった。
しかし、その顔は異形だった。
皮膚は爛れ、目は黒く沈み込み、口は耳元まで裂けていた。
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