視界の端であの御札が一瞬で真っ黒になって形を崩壊させながら床に落ちたのが見えた。
扉はガラガラと音を立てながら開く。
扉の前には。
真っ黒い目が2つあった。
「あ……が……」
なんで。
なんでこいつが出てくるんだよ。
時間だって守って。
そこで心臓をエグるような記憶が脳裏によぎった。
『おや、過ぎてるのにチャイムが鳴らないね』
『先生、この教室の時計5分ズレてます』
5分、ズレてる。
ということは、今はまだ12時をギリギリ過ぎていない。
約束の時間にはまだ達していない。
というかお前、声真似トラップ出来たのかよと謎のツッコミをカマした。
死にかけているというのに。
気の動転で転げ回り机や椅子をなぎ倒しながら教室の端まで逃げる。
しかし女は嬉しそうに首を右に左にと高速で回転させながら俺を走って追いかけてきた。
この女の禍々しさが力となって空間に影響しているのか、教室の電気は消えてしまった。
あっという間に肉迫する。
女の顔が目の前に来る。
女は嬉しそうににぃぃぃぃと笑っていた。
女の手が首に添えられてくる。
ゆっくりと首を絞めてくる。
終わった。
この話は怖かったですか?
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えっ、最後びっくりした
「床に落ちた何か」てなんだったの?