カイダン
投稿者:イタチコ (1)
短編
2024/10/29
03:36
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「おい、ちょっと、海岸に散歩に行かないか」
父親に言われ、私は靴を履いて玄関から出ようとすると、母親も、一緒に行くとついてきた
時刻は、夕方を、超えようとしている
もう、日は、地平線へと隠れてもおかしくなさそうであった
「本当に、残念なことをしたよ、あんなに」
父親は、そういうが、母親のほうは、首を振るばかりで、何も言わない
母親たちが、歩いていく
しかし、私には、やけに、見覚えのある場所に思えた
「あれ、何だっけ」
ただ、それは、昔、遠い記憶の中で、そこに、歩いていた記憶がある
おじいちゃんと、そうだ、私は、ここに来ていた
その時、何と言ったっけ、おじいちゃんは
「いったらいけんど」
そんなことを言われた気がする
確か、岩が、鋭くて、火山岩だから、けがをしやすいし
落ちやすいと
私は、前を見て、声を出そうとして、気が付く
目の前に、誰もいないのだ
「お父さん」
私は、声をかけたが、そこには誰もいなかった
丘のような、薄い草が、一面に生えている
その先には、切れ立った崖しかない
「何処に行ったんだよ、おかあさん」
何度か叫んだところで、私は、背後の声を聴いて振り返った
そこには、両親の姿があった
ちょっと、戻っていたというのだ
私は、それにあんどして、抱きついて、首を傾げた
びっしょりと濡れていたのである
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ももも
おじいちゃんはどうなったんでしょうか
どこら辺だろうどこら辺だろう
ささめのやつか
その後どうなったの
良き