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呪い・祟り

だいざさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

デリヘルドライバーの悲劇
長編 2024/08/25 11:14 3,742view
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「ねえ見て、酷くない?」
彼女がそう言って見せてきたのは、一部分だけ不自然にカットされた後髪でした。
なんでも、電車の中で知らない人に切られたのだそうです。
「ジャリっていう切られる音がして振り向いたけど、人が多すぎて誰にやられたのかわからなくて」
また、別の日には彼女のスカートの後ろ部分がざっくり切られていたこともありました。
その日は朝からずっと一緒にいたのに、一体どのタイミングでやられたのかわかりません。
ただ、何者かが、僕と彼女に悪意を持って周囲をうろついていることだけはわかりました。

それから、僕は頻繁に変な夢を見るようになりました。
メイコさんとホテルで致している夢です。
正直、最悪な目覚めです。

僕に熟女趣味はないし、相手があの苦手なメイコさんって時点でかなりの悪夢です。
なのに夢の中の僕はメイコさんに心酔しきっているのです。
それがますます不快で、僕は眠るのが怖くなり、睡眠障害が出るようになってしまいました。
眠れなくなった結果、睡眠不足から来る意識の低下で仕事でもミスを連発し、しばらく休職することになってしまいました。

彼女のほうも、やたらと体調を崩しがちになりました。
妊娠しているわけでもないのに生理が止まり、円形脱毛症になり、虫歯ができたことがないのが彼女の自慢だったのに、一気に上下の前歯がボロボロになってしまいました。
お互いに余裕がなくなり、喧嘩の頻度が増え、結局彼女とは別れることになりました。

彼女と別れたその日の夜、僕はベロンベロンに酔っ払うまで酒を飲み、気づいたら床の上で眠ってしまっていました。
そしてまた、メイコさんの夢を見たのです。
それはメイコさんが、彼女の生首を持ってケタケタ高笑いしている夢でした。

「う、うわああああああ!!!」
自分の叫び声で目が覚めたのはこれが初めてでした。
心臓がバクバク鳴り、冷や汗が止まりません。
夢だとわかっているのに、嫌な予感が止まらなくて僕は咄嗟に彼女に電話をかけました。
が、彼女は出ませんでした。

彼女が交通事故で亡くなったと聞いたのは、その日の夜でした。
彼女は仕事に行く途中で、何故か突然奇声を上げて道路に飛び出しダンプカーに撥ねられたそうです。
彼女の首はガードレールに直撃し、ほぼ胴体から離れた状態になってしまっていたそうです。
その話を聞いて、真っ先に夢のことを思い出しました。
まさか、メイコさんが彼女を呪い殺した…?
考えたくありませんが、とても偶然とは思えません。
僕は風俗店の店長にメイコさんのことを聞くことにしました。

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