デリヘルドライバーの悲劇
投稿者:だいざ (1)
昔、短期間ですが派遣型風俗店の送迎ドライバーをやっていました。
その店は結構な田舎のほうにあり、店自体も規模が大きくなかったので在籍している女の子は多い時で15人前後でした。
ドライバーは僕を含めて3人いましたが、その他の雑務は店長と店長の奥さんが全てこなしていました。
その店の最年長の子が、メイコ(源氏名仮)という子でした。
メイコさんはプロフィール上では35歳と書かれていましたが、実年齢はなんと50過ぎでした。
確かに一般的な50代よりはかなり若く見えましたが、さすがに30半ば設定は無理がありました。
よく匿名の掲示板に『メイコって実年齢60いってるよね?』『サバ読みにも程がある』等と書き込まれていました。
メイコさんは掲示板では評判が悪かったのですが、サービスがいいからか昔からのお客さんがたくさんついているからか、毎月指名数ナンバーワンでした。
そしてお店の女の子達からも「メイコ姉さん」と呼ばれて慕われていました。
店長と奥さんもかなりメイコさんのことを信頼していて、店長か奥さんが体調を崩すとメイコさんが代わりに雑務をやることもありました。
そんな人気者のメイコさんでしたが、僕は正直言うとメイコさんが苦手…というか嫌いでした。
というのも、送迎で二人きりになると、やたら誘惑(?)してくるのです。
当時のドライバーの中で僕がいちばん若く、自分で言うのもなんですがホスト系の見た目だったので多分ターゲットにされていたのでしょう。
「あたしがお金払うから一緒にホテルどお?」とか「熟女の良さ教えてあげようか?」とか、頻繁に言われました。
そしてもうひとつ、メイコさんが側にいると寒気がするというか、嫌な感じがするというか、なんとも言えない気味の悪さがあり、それもメイコさんが苦手な理由のひとつでした。
結局その後、友人の誘いで友人が経営するラーメン屋で働くことになり、ドライバーは辞めました。
辞めることをメイコさんに伝えると
「あ、そうなの?ざんね〜ん」
と軽いノリで言われたので、妙にホッとしたのを今でも覚えています。
ドライバーを辞めてからしばらく経ったある日のことです。
ラーメン屋での勤務を終え、アパートに着いたのは深夜1時を過ぎた頃でした。
自分の部屋のドアノブに、何かが掛かっているのが見えます。
恐る恐る近づくと、それは弁当箱が入った紙袋でした。
弁当箱の蓋には「〇〇くんへ」と僕の名前が書かれた付箋が貼られており、開けてみると手作りと思われるおかずとおにぎりが詰まっていました。
当時付き合っていた彼女はいましたが、彼女はこんな風に弁当を置いていくことはありません。
それでも一応電話して確認してみましたが、案の定「そんなの作ってない」との事。
翌日、隣の市に住む親と姉にも一応確認してみましたが、どちらも身に覚えがないとの事でした。
もちろん、気味が悪いので食べずに処分しました。
この出来事を境に、身の回りで奇妙なことが起こり始めました。
歩いていると視線を感じる、誰かにカメラを向けられているような変な感じがする。
最初は勘違いだと思ったのですが、そのうち彼女にも妙なことが起こるようになりました。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。