トモダチ
投稿者:真昼のプログラム (19)
笠井(仮名)という高校から友達がいた。
同じクラスになったことはなかったが、漫画研究部で知り合ったきっかけで仲良くなった。
高校時代はよくサボって映画を観に行ったり公民館で好きなアニメや漫画について話したりするほど仲が良かった。
異性の友達だけどお互い意識したことはなく悪友って言葉が一番合ってる気がした。
(少なくとも僕はそう思っていた)
高校卒業後は二人とも地元の大学に進学した。
笠井の家は両親が共に海外赴任しているため、滅多に帰ってこない。だから好き勝手に暮らせる代償として実家を離れないという約束を結ばされていた。
大学進学しても同じ学科で同じサークル(オカルト研究部)に所属していたからほとんど一緒だった。その時はこの変わらない日々がいつまでも続くんだろうなって呑気にそう思っていた。
***
1年の後半に差し掛かった頃、ボランティアサークルに入った笠井はあまり学校に顔を出さなくなった。大学生特有の授業以外のやることができたやつだ。
英語が堪能な彼女はゼミの先生から単位免除するから交換留学生のサポートに協力してほしいと頼まれたらしい。
その頃の笠井と会う時は大体留学生が一緒で韓国から来たキムという女の子とよく一緒にいることが多かった。
日本語もそこそこ喋れたしアニメが好きだったので僕もそこそこ話したことはあったが、自分のことをあまり話したがらない不思議な子だったのを覚えている。
***
「キムと韓国旅行に行ってくる」
「お土産はキムチ以外で頼むわ!」
これが彼女と交わした最期の言葉だった…
それから彼女は音信不通となった。
学校や警察に相談することも考えたが、海外旅行だからどう話したらいいか…そんなことを考えながら悶々と日々が過ぎて行った。
***
秋学期の終わり頃、笠井から着信があった。
『◯◯、久しぶり、覚えてる?今日、空いてたら、うちで遊びませんか?』
その時にいろいろ聞きたかったけど了承したところで一方的に切られた。
ちょっとした違和感を抱えながらも学校終わり、久しぶりに笠井の家に訪れた。
インターフォンを押すと彼女が出てきた。
いや…正確には彼女らしき人物だ。
背丈、髪型、輪郭は彼女と同じなのだが顔が全くの別人で片言の日本語と不自然な笑顔がとても怖かった。
「久しぶり、遠慮しない、入って」
怖くなった僕はそのまま走って家まで逃げた。
何ひとつ状況が理解できなくて吐きそうになった。
携帯から着信音が鳴ると逆パカして捨てた。
彼女は、元々朝鮮人なんだろう(´;ω;`)。
↑↑↑
いや、これって戸籍のっとり系の怖話じゃないか?
海外の僻地に言ったら比較的背格好の似た人間にすり替わられる(なり変わられる)ってオチ。
当然本人は殺されてるけど
背乗り(はいのり)って呼ばれる手口だろうな。