俺は病院に行きたい

話を聞くと俺は自分の部屋で発狂して周りの物を壊しながらずっと叫んでいたんだという
近所の人が通報して俺は病院送りになったらしい

両腕両足に包帯が巻かれていた
壁や床に打ち付けて骨折したんだという

俺は自分の顔が変わってしまったと訴えたが誰も信じてくれなかった

母親も父親も昔からこの顔だったと主張した
お見舞いにきてくれた友人も同様だった

医者は俺が何らかの精神の病になったのだろうと言った

俺は何度も否定したが、翻らなかった

何がなんだかわからない

だが、おそらくはあの男が原因だ

あの男が俺の顔を奪ったのだ

一刻も早くあの男を見つけなくては
だが、あちこちを骨折した俺はここを出れそうにない

治ったところで精神病と決めつけられた俺が病院から出れるかわかったものじゃない

だから、俺はやつから来てもらうことにした

やつは俺と同じように考えるのだ

本を買いたいと思えば本屋に行く
モーニングセットを食べたいと思えばカフェにいく

ならば、俺は病院に行きたい

俺は病院に行きたい
俺は病院に行きたい

俺がいる病室まで行きたい

これで奴はここに来るはずだ

俺はただ本当におかしくなっただけなのかもしれない

人の顔を奪う存在なんてあまりに非現実的だ

俺一人おかしくなってしまったという方がまだ信じられる

俺は正気で
世界が狂気と
何故言い切れる？