シュボ!
勢いよくマッチ棒の先に火が灯った。
「ふむ。やはり此処は異空間でございましたか」
火が点いたマッチ棒を持って、扉に近づく。
バチンッ!
手に持ったマッチ棒を扉に近づけた瞬間、独りでにマッチ棒飛んでいった。
まるで弾き返されるように。
床に落ちたマッチ棒は椅子の近くまで転がる。
その椅子の足は木で出来ており、引火の影響により徐々に、火が大きくなった。
「私を焼いても美味しくないのですがね」
火は火夜を囲むように燃えさかっていく。
見事に火に包囲された火夜は、右手でシルクハットを抑え…
パチンッ
指を鳴らした。
ブワッと火夜の周囲に青い火が出現する。
「残念ながら普通の火は出せませんが、狐火なら出せますよ」
シルクハットから手品の様に黒いステッキを取り出した。
カッ!と思い切り床をステッキで叩く。
狐火が外側に向かってグングン広がって行く。
そして、最後には火とぶつかった。
その瞬間、狐火は火を飲み込みそのまま消えて行った。
タタタッ。
誰かが廊下を走る音。
気配は知らない者ののだ。
火夜は相手を追ってみることにした。
スゥと教室を通り抜け、廊下へ出る。
ドゴォ!!
廊下へ出た瞬間、背後から大きな音がした。
何事かと振り返る。
火夜がいた教室から数えて2つ目の教室。
そこの扉が吹っ飛んでいた。
ドアの壊された教室から足音が聞こえてくる。
スッと静かに教室から出てきたのは知った顔だった。
「政宗」
自分の名前が呼ばれた政宗は、顔を火夜に向ける。
「…忍狐」
「違います。忍ではございません。火夜です。しかし、貴方様も閉じこめられていたのですね」
「お前もか」
「えぇ。攻撃を仕掛けられましたが、大したものではございませんでした。何者かが此処を走り去ったので、追跡しようと思い、教室を通り抜けてきた至大でございます」
火夜は政宗の足元に視線を向ける。
「 物を壊すのは感心しませんね」
政宗の足元には叩き壊されたドアがあった。
「急いで気配追うなら、壊した方が手っ取り早い」
「野蛮人ですか貴方は。」
火夜はため息を吐いた。
「残念ながら、気配を見失ってしまいましたね。 いかがなさいますか?気配の向かった方向に行ってみますか?」
「それしかない」
「では、行ってみますか」
これ以上会話するのは面倒臭いというオーラを感じ取った火夜は、早々に話を切り上げた。
気配はこの廊下を真っ直ぐに走って行ったが、階段を下がったのか上がったのかは分からない。
雰囲気が違えど、此処が二階というのは知っていた。
先程5人で回ったのだから。
火夜は一度行った場所の地理は全て把握でき、細かい背景や置いてあった物を記憶している。
「教室も確認しておけば良かったですね」
「…」
火夜の言葉を無視して、政宗は静かに後ろを向いた。
「どうかなさいましたか?」
問いかけると、政宗は小さな声で返事をする。
「音」
「音ですか?」
火夜は音に集中するため、目を閉じた。
怖かったです。
句読点が多すぎて少し読みづらい。
ちょっと意味がわかりづらい
忘れられない修学旅行に、なりましたね。
ちょっとメンヘラっぽい文章がいいね