オンライン飲み会

俺は叫んだ
するとＡの動きがピタッと止まり、顔を上げ俺の方を見つめてきた
目は完全に白目だった

Ａの口がゆっくりと開いた

「・・・・」

その声が聞こえてきた瞬間、Ａの後ろから無数の手が伸びてきた
あっという間にＡは闇の中に飲み込まれてしまい
あとはただただ闇が映し出されているだけだった

「うわあああ」

俺はつけていたヘッドホンを放り投げ、パソコンの前から逃げ出した

財布をもって、サンダルを履いて外に出た

なんだあれ！
なんだあれ！！

あのいきなり現れた無数の手はなんだ？

Ａのイタズラ？

いや、あんな凝ったイタズラなんてあるものか
それに確かにＡはおふざけが好きなやつだが、ああいうホラーじみたことは嫌いなはずだ

俺は怖くて家に帰れなかった
駅前のネットカフェに泊まって夜を過ごすことにした

ＡにLINEとかで連絡してみたが、既読にならなかった

直接電話する勇気はなかった

早朝、俺は恐る恐る家に帰った
当たり前だが、部屋は家を飛び出したままになっていた

パソコンも見てみたが特におかしいところはなかった

あれはなんだったんだ？
酒飲み過ぎて変な幻覚でも見たのか？
いや、あれはそういうものじゃない
あれは確かに・・・

そんなことを考えていると
俺のスマホが鳴った