磯釣りを趣味にしていた男がいた。
ある日男は高波にさらわれ、帰らぬ人となった。
まだ行方不明ということだが、釣り仲間たちはとっくに諦めており、男を偲んだ。
カワハギ釣りのうまいやつで、その場で活〆にして持ち帰り、自分でさばいてキモと刺身で一杯やるのが常だった。
ある時おかしなことを言っていた。
「カワハギっていうくらいだから、捌いたときに皮をビーーっと一気に剥ぐのが快感でな、それがやめられなくて何匹も何匹も剥いでたら、カワハギのやつがギロッとこっちを見ながら言うんだよ・・・いつかおまえも同じ目にあわせてやる・・・って」
飲みながらの笑い話だった。
そんな男の遺体が１週間ぶりに流れ着いた。
釣り仲間や警察官が見守る中、遺体が引き上げられた。が、やけに軽い。
男が釣りの時に着ていたとみられるカッパの中身は、ズルリと剥けた男の全身の皮だけで、中身はどこかへ消えてしまっていた。
しばらくの間、この磯で釣れるカワハギは、
丸々と太って、キモもでかくてうまいと評判になった。
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kanaです。(旧姓kama)。
実は前回書いた「サンタクロースの助手」というお話のコメント欄で、
読者の方にまちがえてkanaさんと呼ばれまして、ボクもそれに応えてkanaですと書いたら、
今度はそのお話をYoutubeで朗読していただいたYoutuberの方まで思いっきりボクの名前を
kanaと書いてしまいまして・・・これはもうkanaに名前を変えろと言う神の啓示なのでは?と思い、今日からしばらくkanaを名乗ることにします。
飽きたらまた戻すかもしれないし、このままかもしれないです。
ところで、最近の若い子は長い話はぜんぜん聞いてくれないと言うので、
しばらくショート専用怪談を書くことにしました。
まぁ気が向いたら長編も書きますけど・・・浮気性なもんで。勝手気ままに書きます。
kamaさんがkanaさん？なんだかこんがらがってしまう（笑）カワハギ→皮を剥ぐ、逆襲に思えてならない。
何でもありです。今回のも、カワハギ目線で面白かった。
カワハギの刺身は、フグより美味しですよ。
人間の中身ってカワハギがかなりいないと1週間では難しいと思うから流れ着いた時めっちゃ獲れたのかな？