だだだ
投稿者:とくなが (5)
撮影スタッフ数人で「なにか粗相があったか・・・?」と話していたのですが、すぐにディレクターが出てきて「とくなが、ちょっときてー」と私だけ呼ばれました。
私は冷や汗をかきながらディレクターと一緒に居間まで行きました。
居間にはご家族3人が居りました。
そこでお父さまが笑いながら「怒ってないですよ、この子が変なことでも言いました?」と息子さんを抱きかかえながら仰っいました。
私はホッとして「息子さんが だだだ、ぷんぷんだよー とおっしゃっていたので勘違いしてしまいました」と笑って返しました。
その瞬間、お父さまとお母さまの表情が一気に曇っていくのが分かりました。
ディレクターから「なにか不安なことがあるならおっしゃっていただけると・・・」と促したのですが、お父さまから「いや、大丈夫です」と即答されました。
腑に落ちないまま車に乗り会社に帰ることとなりました。ディレクターから「会社に戻ったらすぐに映像確認してくれ」と急かされたので戻ってすぐにパソコンに映像を取り込み確認しました。
結論から言うとちゃんと撮れていました。
スタッフみんなで「ちゃんと撮れてるじゃん」と小言を言いながらも作業していた時
撮影スタッフの一人が「これっ!!これっ!!!」と映像を指さして大きな声をあげました。
映像は「食卓を囲んで家族3人が楽しそうに料理を食べている」最後のシーンでした。
最後のシーンでは家族の後ろに居間と仏間を隔てているフスマが映っています。
閉めたはずのフスマが5センチほど開いていました。
その隙間から 歯を食いしばって目を見開いている真っ赤な人(人のようなもの?)が映っていました。
「これ、何?誰?」
皆啞然としていました。
我々撮影スタッフはフスマとは逆の位置から撮影していたので撮影スタッフなわけがありません。
家族も3人全員映っています。
そもそも収録直前「仏間の部屋」は誰もいなかったし仏壇以外なにもありませんでした。
なのに、そこには家族を食い入るように見つめる真っ赤な何かが居ました。
その後、すぐにディレクターに連絡し、直接見てもらいました。
ディレクターはカメラを担当していたスタッフに「撮っていて気づかなかったのか?」と問い詰めました。
カメラ担当は「気づかなかった」としか言えず・・・。
正直、全員気づかなかったのでみんな同罪です。
「これ多分・・・つかえねーぞ」 ディレクターがポツリと呟きました。
その時の会社の空気はお通夜状態でした。
アメリカなんかだとダディーっていいますし、お父さん説はわかります。
流石にゾッとしました…家族はだだだとはなにか知っていたのか…
今回も面白く拝見しました。
正体が何だったのか気になりますね。
君このサイトで文章を載せてたのか。
見つけた