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心霊

yousayさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

緑髪の女(後日談)
長編 2023/10/07 15:42 3,518view
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後日談です。

あの出来事から25年以上経ちました。
私は大学を卒業し、県外へ就職していました。社会人になって、10年ほどの月日が流れたときでした。兄より実家の父親が病気を患い、長くはないだろうという連絡が来ました。
遺産相続や今後のこともあり、他の兄弟との話し合いで実家へ戻る機会が多くなりました。
そこで、実家にまつわる様々なことを母親より聞きました。

・実家は江戸期以前から続く名主の家系であること
・GHQの農地改革で大半の田畑と土地を失ったこと
・土地を失ったとはいえ、現在も相当の土地が残っていること
・名主の家系であることや土地を多く持っていることは、祖父母の方針で孫たちの教育では伏せられていたこと
・祖父は婿養子だが、祖父の実家も隣町の地主であったこと

正直、実家の詳細を知らなかった私は衝撃的でした。
確かに私自身、贅沢な暮らしをしてきた覚えはなく、お小遣いをまともに貰ったことが無い上に衣類や文房具類は兄のお下がりであるような環境で育てられました。むしろ、どちらかと言うと貧しめの環境で育った覚えがあります。
大学受験のときも私自身は志望校には落ち、滑り止めの大学を行かせて貰えたとはいえ、特待生で学費の免除があったから行かせて貰えたようなもので、生活費は奨学金に頼ってました。
土地がたくさんあることもほとんど知らされていませんでした。

父親の病のこともあり、話し合った結果、今後は兄弟持ち回りで、年に1、2回帰省して、家の掃除や庭の草刈りなどをしていこうということになりました。

その後、実家の掃除、草刈り当番が回ってきたときでした。
実家へ戻り、草刈りなどを終え、夕食での団欒の場で色々な昔話にしていたときです。
私はふと、祖母が相当強い霊感の持ち主であったことを思い出し、母親へそのことについて聞きました。
そうすると母親は祖母より色々な話を聞いており、中にはにわかに信じがたい内容もあったものの、信じざるを得ない状況を何度も経験したそうです。
また、母親が言っていたのは、祖母は霊媒師並みの霊感だったようで、霊を祓ったり、成仏させていたという話でした。

そのおかげか、自分の先祖の大半は成仏しているのだろうから、先祖の供養については心配をいらないだろうと言っていました。

その話を聞いて少し引っかかりました。本当に全員成仏しているのか?
母親の話に引っかかったのは、もちろんあの日の出来事があるからです。
思わず母親に対して「いや、成仏していない先祖がいるでしょう?昔俺が夢か現実か分からないけど、恐ろしい幽霊見て、しばらく和室で眠れなくなったことあったの覚えている?あの霊の顔、女性だったとはいえ、兄貴に良く似てたし、先祖の一人じゃないの?とてもじゃないけどまともな死に方をしているようには見えなかったよ。それに何であの時、まともに話を聞いてくれなかったの?」と言ってしまいました。

それに対し、当時はまともに取り合っていなかった母親が顔色を変えて、「それって、あんたが小学2年生くらいのときの出来事?確かあんたが和室で寝たくないって言っていた覚えはある。その女の霊、髪が緑色で白い服を着ていなかった?」と言われて、今度はこっちが真っ青になりました。
母親いわく、その時期頻繁に金縛りにあっていて、誰かに首を絞められていたそうです。毎晩のように同じ目に会うので、ある晩、母親は誰が自分の首を絞めているのか見てやろうと思い目を開けたら緑色の髪と白い服の袖がはっきり見えたそうです。ただ、私と違って顔は見なかったそうですが、相手が女性であることは感覚でわかったようです。 また、同時期に姉(最近知った事実ですが、姉も霊感持ち)が家の中で、その霊を見ていました。 言われてみれば、確かにあの時期の姉は何かに気づいているような雰囲気ではありました。特に和室を良く眺めていた覚えがあります。

それから母親は今は亡き祖母が言っていたことを思い出して、その内容を教えてくれました。 相当の霊感持ちだった祖母曰く、私の兄と私の父の兄(叔父)が不思議な繋がりがあるそうです。 それに関連してそうとのことでした。
ちなみに私の叔父は祖母と折り合いが悪く実家を継がずに別家を建てています。 また私の兄は当時、他の家族全員と折り合いが悪かったのですが、叔父に対しては一目置いていて、対応が違ったそうです。 その光景を見ていた祖母は、その二人の前世が見えたそうです。前世では叔父と兄が親子だったそうで、しかもこの前世での叔父と兄は実家の先祖にあたるそうです。
しかも前世で兄はどうもかなり悪いことをしたらしく、特に分家である従兄弟の女性に取り返しのつかないことをしたそうです。
具体的な内容は伏せられていましたが、従兄弟だった分家の女性に好意を抱いていたようで、思いを遂げるため、前世の兄はその女性を深く傷つけるようなことをしたようです。 私が見たのはその女性の霊ではないかと。 記録には残っていないですが、その女性は、うちの実家の先祖の一族の可能性があるそうです。ただし、先祖の一族とは言っても祖父が婿養子として隣町から実家に来ているので、そちらの先祖に関係した人物だと思います。(兄と叔父が祖父に容姿や性格が似ているため、そう思ってしまいました。祖父の実家も名主の家系のようですが、本家は絶家となっているようです。)

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コメント(2)
  • 近況がありましたら投稿お願いします。

    2023/10/08/21:41
  • 先祖の生まれ変わりなんて事もあるんですね。

    2023/10/10/03:23

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