人間の悪意

「おかけになった電話番号は現在使われておりません。番号をお確かめになっておかけ直しください。」

ってアナウンスが流れた。
そこで俺、「？」ってなって何度かチャレンジしてみたが、ずっと同じアナウンス。

ひとまず、公園で腰をおろして”どうすんねんコレ”状態。
しばらく自分でサポートセンターとかに連絡しようと、アプリをいじくったり、ぐぐって調べたりするも、どうやら配達完了の操作をしてしまった後では、配達員側から問題報告をすることができないみたいだった。（これは完全に某サービスの良くないところだと思う）

またお客さんから電話がかかってきた。
「商品回収できたか？」と聞かれたので、正直に商品が無くなっていたことを伝えると、
「そうですか。」とショックを受けているようにも、妙に落ち着いているようにも、感じ取れるような違和感のあるリアクション。

とにかく平謝りしつつ、少し不審にも思っていたため、「お客様が回収されたわけではありませんよね？」と確認したが、「違う」と言われた。
このままではどうしようもないので、サポートセンターへ連絡し、対応してもらう旨を伝え電話を終えた。

この時点で時刻は21時30分くらいだったと思う。
その後、俺は必死でサポートセンターへの連絡方法を調べたが、前述したとおり、やはりこのシチュエーションでは配達員から連絡はできないとのことだった。
ただし、お客さん側からならサポートセンターに連絡できるとのことだったので、お客さんから連絡してもらおうと思い、再度電話をかけるも・・・。

「おかけになった電話番号は現在使われておりません。番号をお確かめになっておかけ直しください。」

何度かけても同じ結果。
ちょっとぐぐって調べてみたら、auの通信障害でこうなることがあると分かった。（俺のスマホはau）
「流石にタイミング悪すぎるだろ、ふざんけんな。」と思いつつ、「まぁ、今回の件、全体的に俺自体はあんまり悪くねぇなー。」とか合理化をしつつ諦めモード。

またお客さんから電話がかかってくる可能性もあるし、もしかかってきたら児童公園が近いと言ってたし、こっちから電話もできないんで、公園で合流できないか交渉してみようと思って、22時までは公園で待機することにしたんだけど・・・。

ふと気付いたら、22時前の街灯もろくにないほぼ真っ黒な公園で、ボール遊びをしている奴と鉄棒で遊んでいる奴がいんの。
暗いから年齢は分かんなかったけど、若そう・・・というより話し声的に中高生くらいのガキっぽい感じがした。

「いつからいたんだ？てか、何でこんな時間のこんな真っ暗な中で？」とかなり疑問に思った。少なくとも俺が児童公園で休もうと思って、荷物を下ろしお手洗いに向かうまでの、あの時間にはコイツらは絶対にいなかった。

〇〇府の〇〇市って児童公園がやたら多いんだけど、そん中には、リンチ殺人があっただので幽霊の目撃情報も多く、ローカル番組が取り上げるほどの心霊スポットになっている場所もあるんだよね。

んでさ、怪談好きなのも高じて、色々考えちゃったわけ。

・マップに正しく表示されない住所→住所も客も実在しないから
・陰気臭い男性→人外の存在、幽霊の類だから
・使用されている電話番号が何故か使用されてないことになっていて繋がらない→存在しない電話番号だから
・何者かに回収された商品→幽霊の類が回収した
・夜遅くの児童公園、真っ暗の中で遊ぶガキ→霊現象に引き寄せられて来た別の幽霊

それに、よく考えると302号室（303とか304とかも）って怪談とか怖い話で登場する部屋番号じゃね？って。

別にそれで怖くなったとかはなかったけど、それこそ怪談好きが高じたんだろうな、今までそういう体験っぽいので言えば、自分の家でばけたん（お化け探知機的な奴）が、赤ランプ（幽霊がいる合図）で点灯することがしょっちゅうあるっていうしょぼい体験、それと、前にここで投稿したカラオケバイト時代の体験くらいしかなかったから、結構濃い体験をできたことにちょっと嬉しくなったｗ