そんな事があった数週間後。
とも子もそんな夢の事を忘れつつあった頃に、私は再び女の夢を見てしまう。
相変わらず代わり映えしない夢の中の自分家。
夢の中で起床するという奇妙な感覚もすっかり慣れたが、この日は少し違った。
いつものようにカーテンを覗いて、向かいのマンションに居る女を確かめるが、女が居なかった。
このパターンは初めてだった。
これまで私の行動によって女の行動が変わる事はあったが、のっけから女がパターンを変えるのは例にない。
そう思うと急に不安に襲われる。
まさか既に家の前にやって来ている?
それこそ狭い室内で逃げ切れるわけがない。
私は不安を抱えながら恐る恐る外へ出てみたが、エントランスを通過するまで女の気配一つしなかった事に驚いた。
「女が夢から消えた?」
そう思った。
しかし、マンションの外に出たと同時に学校方面からけたたましい悲鳴が『きゃあああああああ』と聞こえた。
これまでの女の声とは違う、子供の悲鳴だった。
私はその声に惹かれるように歩き始めるが、すぐに答えは理解できた。
道路の先から女が走ってくるではないか。
それも人一人を片手で引き摺りながらにして。
だんだんとその姿が鮮明になると、女が引き摺っているモノが小学生くらいの体つきで、服装からして女の子だと分かった。
女は『アッハハハハ』と上機嫌で女の子を引きずっているが、女の子は既に紅葉おろしの如く深紅の血痕をアスファルトに残しており、死んでいるようだった。
私は状況が呑み込めずに初動が遅れてしまい、踵を返すと同時に、後方から女の子が飛んできたのか目の前に『グシャッ』と落ちたから立ち止まる。
女が投げ飛ばしたようだ。
女の子の顔面はすりおろされたように曖昧な血肉でよく分からない状態だった。
ただ、血に染まったその衣服には見覚えがあった。
とも子のお気に入りの服だ。
私がそれをとも子の遺骸だと気づいた時には、女に襲われて目を覚ましていた。
「なんでとも子が…?」
その朝、私は学校に到着するなり、とも子を探した。
いつも私より早く登校しているとも子は、その日に限ってホームルームぎりぎりに登校してきたが、一時間目までの小休憩中にとも子を捕まえて「ねえ、とも子、夢のことなんだけど…」と訊ねると、とも子は「いやっ!」と私の手をはらって、どこかに走り去ってしまう。
結局、とも子は一時間目から保健室で寝込み、午前中には早退してしまった。
























1本の映画をみた満足感!
↑それな 面白かった映像で見たい
カラダ探しっぽい
クッソ怖くて読みごたえがあって面白かった!