霊が語った物語
投稿者:todayhappy (1)
私が高校生で、とある戦国武将にハマっていた時期の話です。
戦国武将というのは、残された書物などからしか情報を知ることができませんが、その時の私は参考となる文献は割と読み終えていて、真偽はともかくたくさん逸話を読みたかったので、ひたすらネットでも情報を調べていました。
その中に霊能力者の人が、その戦国武将に仕えていた人をこの世に降ろして会話をして、それを日記のようにまとめたサイトを見つけました。
元々文章を読むのは好きだったので、随分と長い日記でしたが毎晩読み進めていました。
その武将に出会うまで、部下になるまで、部下になってから、彼らが死ぬまでの話が細かく、何行にもわたって書かれていました。
とても興味深く、リアリティのある内容で書かれていたので、見たことがあるはずないのにその情景が浮かんでくるほど没頭して楽しんで読んでいました。
毎晩寝る前に読んでいたのですが、ある時から何日も何日も悪夢を見るようになりました。
追いかけられたり、殺されそうになったり、知らない場所で迷子になってさ迷ったり。
なんとなくですが、このサイトを読んでいることとの因果関係がある気がしました。
そう思って、何度か読むのをやめようと思ったのに、夜になると読み進めるのをやめられませんでした。
今思うと取り憑かれていたのかもしれません。
そんな日々が何日か続いて、何とか彼らが死ぬ最期の時まで読み進めました。
そのサイトの最後に、これが彼を写した写真です、と書かれた下に写真が貼られていました。
無機質な部屋の中にぼんやりとピンクに光るものが写された写真でした。
それを見た瞬間、理由は分かりませんが、ひどくぞっとしました。
見てはいけないものを見た。やっぱりこのサイトは良くないものだ。直感的にそう思ってすぐにそのサイトを閉じて、調べるのをやめました。
それからずっと調べるのをやめていて、久しぶりに調べた時にはそのサイトは閉鎖されていました。
あれが良くないものだったからなのか、理由はもう分かりませんが、そのサイトを知っている人たちが掲示板で語っているのを見るところ、やはりあの写真はあまり良くないものだったらしいです。
写真などから霊が寄ってくることは時折あると聞くので、あの時私の気分が優れなくなったのは霊を引き寄せてしまったからなのかもしれません。
そう思っても久しぶりにあの話が読みたくなってしまうのは、何かの力が働いているからなのでしょうか。
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