旧犬鳴トンネル
投稿者:猫幻惑 (1)
僕が専門学生の時に実際に体験したエピソードになります。
学校が終わって18時頃だったと思います。
いつもの仲が良かったメンバーの4人の中の1人が急に「犬鳴行こうや」と言い出し、僕以外は割と乗り気だったので引くに引けなくなり、僕も一緒に行くことにしました。
4人とも一度家に帰り再度集合し19:30頃に出発しました。
ナビに犬鳴トンネルと入力し、何事もなく目的地に到着しました。そこにあったのは、人けは全くないものの思ってたより普通のトンネルだったのです。
「拍子抜けや」「期待はずれ」などの言葉が友人の間では飛び交っていました。その時、とてつもない爆音で走ってきた俗にいう暴走族の人達が10~15人程僕達が停めていた車の横に停車してきたのです。テレビやYouTubeなどでしか見たことない集団で、喋り口調からして恐らく17.18歳位の子達でした。(僕は当時は20歳です)
向こうの子たちはこんな山奥で人がいるのに興味を持ってのか、何をしているのかと話しかけてきました。
「肝試しに犬鳴トンネルに来た」「何もなさすぎて、帰るか迷ってる」などの節を伝えると、今まで堂々としていた子達が急に慌て出し集団の1人が「本当に行くんですか?」と確認してきたので「ここがそうじゃないの?」と質問を質問で返すと、「ここは新しくできたトンネルですよ」、「犬鳴はもうダムになってますよ」と教えてくれました。
遊び半分で来た僕達には少しスケールが大きく話が入ってきませんでした。残念に思っていた僕達の気持ちが伝わったのか、また集団の1人が「旧犬鳴トンネルならありますよ」と教えてくれました。
さすがにここまで来たので僕達もその話に乗り「途中まで連れて行って欲しい」とお願いし、旧犬鳴トンネル近くまで連れて行ってくれました。
暴走族の子達と別れた後少し一本道を歩くとトンネルがあり、その前に入れないように柵がガッチリ設置してありました。(当時)柵の後ろを覗くと少し隙間があったので、1人ずつであれば入れました。
トンネルの中は当たり前ですが真っ暗で話し声も奥まで響いていました。10分位歩くとトンネルの1番奥に到着するとその先は行き止まりでした。
「何もなかったな」と話していたその時、後ろの方から女性の叫び声が聞こえてきて、心臓が止まりそうになる位怯えながら、後ろを振り返ると誰もいなく、1番恐ろしかったのは僕以外の3人には聞こえていなかった事でした。
流石に怖くなりその節を伝え急いで車に戻り帰宅しました。
あの声は何だったのかと考えながら「まあ無事に帰れたから、いいかあ」と思い当時一緒に彼女と同棲していたのですが彼女には何も伝えずにその日は就寝しました。
朝目が覚めると当時の彼女は横で号泣しており、恐る恐る話を聞いてみると、いきなり僕に本気で首を絞められたらしく殺されるかと思ったと言われたのです。
え?連れてきてしまったのですか?