誰かいる
投稿者:にらちゃん (2)
これは私が少し前に体験した話。
ふと目が覚めてスマホで時間とスケジュールを確認すると今日は友人と会う予定だったことに気づく。
改めて時間を見るが、どう見てもゆっくりしている暇はない。
シャワーを浴びる時間すら惜しいのでとりあえず頭だけでも洗おうと洗面所に向かい、急いでシャンプーをしているとふと背後に気配がしました。
気のせいと思いつつもさりげなく薄目を開け確認してみると私のすぐ後ろに私のものではない土気色の足がありました。
頭を流すために下を向いているため胴体までしか確認できないですが確かに何かいます。
しかし私は1人暮らしであるため間違いなく私以外は誰もいないはずなのである。
状況が読み込めず頭がパニックになりそうでしたが、どうしたものか考えていると後ろの足は背のびをしようとしているのかつま先立ちになりました。
何故?と思っていると不意に視界が少し暗くなってることに気づいた。背伸びではなく私の顔を覗き込もうとしているのだ。
見たくなくても徐々に視界にその相手であろう長い髪の毛が見えてきます。
もう少しで相手の顔が見えるというところで何故か遅刻しそうだという現状を思いだしました。
恐怖がいくらか和らぎ、一か八かで相手に後頭部で頭突きをするつもりで思いっきり顔を上げる。
正直怖かったため目は瞑っていました。
しかし特に何かにぶつかったという感触はなく安堵しつつ、目を開けないように気を付けながら手探りでタオルをひったくり急いでリビングに行きました。
恐怖を紛らわせるためにテレビをつけ頭を乾かしながら、友人に遅れる旨の連絡を入れる。
その際にこの話をしようかと考えたが、そういう話をすると霊を呼び寄せるということをふと思い出したため、とりあえずその話はせず
盛大に寝坊してしまい今はまだ準備中であるため、私の家に直接来たほうが早いかも
と早口でまくし立て、後で私がスタバをおごる条件で来てくれることになりました。
今のところ洗面所の奴の気配はない。
しかし玄関に行くためには洗面所を通らなくてはいけません。
さらに、先ほど逃げるときに洗面所のドアを閉めてきていなかったため、通る際にどうしても視界に洗面所が入ってしまいます。
色々と考えはしたものの結論はいたって簡単で目を瞑って洗面所の前を通ることにしました。
そうと決まれば話は早くタオルで髪を乾かし、ドライヤーは洗面所にあるため仕方なく諦め、と準備をしていると不意に玄関のチャイムが鳴りました。
リビングにあるインターホンで対応すると案の定友人で安堵しました。
よし!と心を決め荷物を手に持ち玄関へ向かった。
洗面所前では目を瞑り、手探りで玄関ドアにたどり着き急いで開けると、苦笑を浮かべた友人がいました。
友人は「久しぶり。そこまで急いで出てこなくても」と言い、私から見て左後ろにある洗面所に視線を送りその後「こんにちは」と言った。
その瞬間友人を見て安堵を覚えた体が恐怖で脱力しそうになるのを抑え、半ば友人を突き飛ばしつつ外にでて急いでカギを掛けました。
突き飛ばされた友人は状況を呑み込めず放心しています。
私はパニックになりすぎてしばらく友人に「知らない人」と閉めた扉を指さしながら言い続けていました。
気休め程度がてらにお祓いしましょう。
怖いです