お花のお告げ?
投稿者:ぴ (414)
短編
2023/02/14
19:49
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大事に育てていた花に水をあげているときでした。
一つだけ萎れた花が気になって、その花に特に入念に水をあげていたのです。
生き返ったらいいなと思って無心で水をあげていました。
そしたらその花びらが開き始めて、花びらの中に一瞬人の顔が見えたのです。
その顔は私の祖父の顔でした。
なぜか苦しそうにする苦悶する祖父の顔がそこに見えたのです。
慌てて目を擦りましたが、もう一度かっと目を見開いて見てみると、花弁の中のあの顔はもう見えなくなっていました。
見間違いかなとは思ったけど、なんとなくその光景が脳裏にこびりつき、気になりました。
だから本当にその日なんとなく祖父の家を訪ねたのでした。
玄関で呼んでも全然家から出てこず、なんとなく不安が押し寄せました。
私は勝手にいつも昼間は開けてある裏口から入りました。
そして祖父のいる家の中を覗いたら、そこに倒れていた祖父を発見したのでした。
すぐに救急車に電話して、病院に向かいました。
本当にあと少しでも遅かったら、祖父の命はなかったとお医者さんに言われました。
あの日の不思議な現象はもしかしたら大事に育てたお花のお告げのようなものだったかもしれません。
私はあの日あのようなものを見なければ、祖父の家を訪ねることはなかったと思います。
今もとても覚えている出来事で、あの花が庭に咲くたびに、「ありがとう」と心の中で感謝しています。
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虫の知らせですね。
こういうの好き