夢の中での誰かの「逃げて!」が現実に
投稿者:シーザーズ (1)
その日私は、仕事で都内から電車で帰宅しているところでした。
仕事でかなり早い時間に退勤できる日で、おそらく16:00過ぎに退勤して、それから帰りに買い物などを済ませて、一人暮らしのマンションの最寄り駅についたのは18:00過ぎだったと思います。
最寄り駅から一人暮らしのマンションまでは、大通りを真っ直ぐ歩いて12分ほどです。
いつも通り歩いているときのことでした。
突然、すごいゾクゾクとした感覚を身体に感じたと同時に、あの夢の中で起きていることと同じように、「逃げて!」「逃げて!」「逃げて!!」と聞こえました。
その声は、どこから聞こえたのかは分かりません。
上から聞こえたような気もしますし、背後から聞こえたような気もします。
とにかく突然はっきり聞こえたことだけはたしかに覚えています。
その声が聞こえて思わずハッとした次の瞬間、私は前に現れた男に進路を塞がれました。
今思い返しても、どんな男だったかは分かりません。
腹部~ズボンが黒くてダボダボしていたのと、カバンがチラッと見えたような気はしました。
あと覚えているのは、その男の「へへーっ!!!」というとても気味の悪い少し高い声です。
今でもたまに思い出し、ひどい吐き気を感じるほどです。
男との距離はかなり近かったと思います。
まさか前に立ちはだかられるなんて思っていませんでしたし、一体男はいつから私をつけていたのかと疑問に思います。
もしもどこかからずっとつけていたとしたら本当に気持ち悪いです。
そして、もしあのとき男が刃物をもっていたとしたら、私は間違いなく刺されていたと思います。
進路を塞がれた私は、反射的によけて全力で走っていました。
こわすぎて後ろを振り返ることはできませんでした。
私の住んでいるマンションの少し先には交番があります。
そこに駆け込めばよかったのですが、私はとにかく部屋に入ってカギをかけなければという気持ちでいっばいになり、そのことしか考えられず、恐怖で泣きながら全身全霊の力でカギをオートロックのカギ穴に差し込んでガチャガチャと開け、エレベーターのボタンをこれでもかと連打しました。
部屋に入ってカギをしめたとき、恐怖で涙と鼻水は垂れ流していました。
カギをしめても、足が震えて一歩も歩けず、座れず、ずっとその場にただただ立っていました。
しばらくしてから、友達や家族に電話したところ、皆からすぐ交番に行くよう言われました。
でも私は、怖くてその場から動けないのに、外へ出れるはずなどありません。
もし何らかの方法でオートロックを突破してドアの向こうにいたら?エレベーターの中にいたら?オートロックの前にいたら?そう思うと本当になにもできませんでした。
交番に電話をかけてみたものの、繋がりませんでした。
おそらく、以前なくし物をして交番に行ったとき、「巡回中」の札がかかっていて誰もいなかったことがありました。
もしかしたら巡回中の時間だったのかもしれません。
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