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ヒトコワ

ぷーさんさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

トンカチを持って追いかけてくる男の恐怖
短編 2021/03/01 20:44 3,577view
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4年くらい前から近所に不審者が出るとの噂が立ちました。不審者は男で、年齢は30代ほど、マスクに帽子をかぶっているとのこと。
「なんだか物騒になったな」と思い、駅から家に帰るときは怖いなと思ったものです。

その話を聞いてから1週間後。

友達と遊んでいたら深夜になってしまいました。
「これじゃあ家に帰る頃は1時すぎになっちゃうな」と思いました。
でも、駅から歩いて5分程度で家に着く場所に家があるので、大丈夫かなと思い、電車の中では音楽を聴いてリラックス。
駅からは明るい道路を歩くようにして、家を目指します。

その途中、道路の左隅に黒いかたまりがあることに気づきます。
「なんだろう、あれ?」と思いつつ、絶対に通らないと家に帰れないので、おそるおそる通ります。

息を潜め、なるべく足音がしないように歩くようにして、黒いかたまりの横を通りました。

「あれ?あれ?なんか動くぞ?」
よく目を凝らしてみれば、黒いかたまりは人間でした。
私が横を通ろうとしたら、すくっと立ち上がります。
「うわ、男の人だ」
その男性の服装は、1週間前に聞いた格好にそっくりでした。
「もしかして、不審者?!」
もうパニックになってしまった私は、いつでもカバンで叩けるように抱えながら歩きます。

後ろ向きの男はゆっくりとこちらを振り向きました。
手には何か短いトンカチを持っていました。
「まさか、あれで叩いてくるのかな」

そう思うと、凄く恐怖を感じました。

男の横を通り過ぎようとしたら、「一緒に遊ぼうよ」と話しかけられました。
「うわ、話しかけられちゃった」
こんな夜中に遊ぶだなんて、おかしい人だなと思い、もうなにをされるかわからないなと思うとさらにパニック。

次の瞬間、駆け足で走ります。
すると、後ろから男もタタタっと走ってきます。
それも、「うーうーうー」と気持ち悪いうなり声を出しながら追ってくるんです。

辺りは繁華街を抜けて暗くなり、人も通っていないば所に。
助けも求められず、ひたすら走ります。
家が近づいてきたとき、男はトンカチを振り回しながら私の横を「あああああ」と言いながら通り過ぎたのがすごく怖かったです。

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