夜中

2月下旬。
夜中に自分の部屋で布団を目の下までかぶって寝ていたら、部屋のドアが突然開いた。部屋が暗くて顔がはっきりとは見えないが、その人は私の名前を呼びながらすごく怒っていた。

ただ、名前を呼ばれているのはわかるが、それ以外は何を言っているか全くわからない。
だからその人に「何を言ってるか、わからない」と言った。
それでもその人は私の名前以外は何を言っているかわからないが、すごく怒っていた。
だんだんと私もイライラして「何を言っているか、わからないって言ってるでしょ！！」と切れたら、突然私の体の上に乗ってきた。動くことも出来ずにいた私の視界にはその人のオデコから上だけが見えた。
短髪の男だった。その時にこれは人じゃなかったんだと気がついた。怖くなったので目を閉じた。

気が付いたら朝になっていた。そのことを子供に伝えたら「あ～この家、たまに人が歩いていたり、座っていたりするよね。女の人でしょ？」と言うので「男の人」と答えたら「男の人は見たことない。でも名前を呼ばれたなら生霊じゃない。たまに誰かが部屋に入って行く感じはしてたんだけど。大丈夫？」と心配された。
その日から部屋の電気を消して寝るのが怖く、今現在も電気は消さずに寝ている。