赤い目をした花子さん

私が小学校高学年の頃のお話です。

私の通っていた小学校は凄い古い校舎で、珍しい公衆トイレのような形のボットン便所も、体育館の隣にあったほどです。

薄暗くて不気味なそのトイレでは、トイレの花子さんの噂もされていて、何故か生徒はそのトイレの利用を許されていませんでした。利用できたとしても、緊急な事がない限りは、私もそんなトイレに入りたくないので、使うことはないと思っていました。

そんなある雨の日、体育館で体育の従業中、クラスメイトのＵ君がトイレに行きたくなり、校舎まで戻るのは面倒だからと、そのトイレを黙って利用したそうです。
少ししたら青ざめて戻ってきたＵ君。最初は体調が悪いのかと心配しましたが、話を聞くと花子さんを見たと。

噂もあるので冗談だと思ったのですが、様子がおかしいのでクラスメイト数人で放課後に調べに行くことにしたんです。
花子さんを呼ぶ儀式をしたあと、確かに見てしまった私達…。3番目の扉が少し開き、その開いた隙間から赤く光る目のようなものが二つこちらを覗いてきたのです。
私達は悲鳴をあげて一目散に逃げましたが、その事が起きた一週間後に、そのトイレは取り壊されました。

最初から取り壊す予定だったのか、更に噂が広まってしまい、何かあって取り壊したのかは謎です。