今は亡き、父から聞いた話です。
父が育った村には小さな火葬場があり、老夫婦が住み込みで管理をしていました。
老夫婦の趣味は敷地内で野菜を栽培すること。火葬場から出る灰をまいて育てた野菜はナスやトマト、きゅうりなど全てが標準サイズより大きく、色も濃くて鮮やかだったそうです。
老夫婦は食べきれない分を村の人たちにおすそ分けし、父もまるで夏みかんのように大きなトマトをもらったことがありました。
火葬場でとれた野菜はどれもおいしくて、老夫婦は「〇〇さんは子供や孫に恵まれて幸せだったから、いい灰になったんだな」と言っていたらしく、父は幼心に何か怖いなと思ったそうです。
そんなある日、村の外れに住んでいた家族の父親が妻と四人の子供を殺し、自殺をするという事件が起きました。
父の村の人たちは仲が良く、泥棒すら出たことがないので、みんなびっくりしたそうです。
一家六人は老夫婦の火葬場で焼かれ、大量の灰が出ました。
老夫婦はいつものようにその灰を畑にまいたのですが、できた野菜はみな小さく、色も褪せて、採れたてのみずみずしさがなかったとのこと。
不幸な最後を遂げた人の無念が体内に残り、その思いが灰となっても残っていたのかも…
この話を聞いた時は、魂は絶対存在すると思いました。
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遺灰を。
よくまぁ遺体の灰を畑に撒くとは罰当たりですなぁ。