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心霊

みゅしゃさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

何だったんだろう
短編 2022/12/19 01:22 706view

小学6年生だった時の事。
多感な時期であったからだろうか。その頃の私は、夜、眠りにつく前に、得体の知れない不安感と、幻聴に毎晩襲われていた。しかし朝になると、その不安感はどこかに消えているのである。

その日の晩もまた、寝ようとすると、「おおれーおおれー」と、耳元で男性にささやかれているような幻聴が聞こえてきた。私は耳を塞いで、幻聴が聞こえないようにした。
部屋は和室で、隣室と障子で仕切られていた。耳をぎゅっと塞ぎながら、ふと障子に目をやると、大きな人影がなにやらグネグネと踊っているように見える。隣室には誰もいないはずだ。
今度は目を塞いだ。もう一度目を開けると、影は消えていた。いつのまにか眠りについたようだった。

ふと目を覚ますと身体がカチカチに固まり動かない。「助けて」と声を出すこともできない。金縛りだろうか?耳元ではまた、「おおれー。おおれー。」と聞こえる。天井がゆっくりと落ちてくる。
「だめだ。もう死ぬんだ。」と思った瞬間。天井に、ニヤっと笑う見知らぬ男の顔が張り付いていた。

翌朝、何事もなく目が覚め、登校した。夜が来るのが怖くて怖くて仕方がなかったが、その夜から、幻聴も、影も、金縛りもなくなった。あれはいったい何だったのだろうか。あの男は誰だったのだろうか。

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関連タグ: #声#金縛り
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