いるはずがない元カレ
投稿者:ぴ (414)
私がその写真を見たとき、思わず悲鳴を上げそうになりました。
会社で行った社内旅行の写真に見覚えある顔を見つけたからです。
私たちが笑って写真を撮影する後ろに写り込んだ人が3年前に別れた元カレにそっくりでした。
私はその写真を見たときに、恐怖に慄きました。
だって彼はそこにいていい人ではなかったからです。
実は元カレとはうまくいっていなくて、別れるつもりがずるずると別れられないでいました。
その日私は彼と別れるつもりで、彼に電話したのです。
「一度会えない?」という私の誘いを彼は頑なに断っていました。
多分会ったら別れ話をされることを分かっていたからだと思います。
こうした一連の状況も事故の原因だったかもしれないです。
彼はトラックの運転手をしていたのですが、その日、連日の仕事による疲れから居眠り運転をしてしまい、交通事故により帰らぬ人になりました。
そんなもういない彼が写真に写りこむはずがないのです。
なのにどこをどう見てもその写真の人は元カレにそっくりでした。
社内旅行では何枚が写真を撮っていたのですが、私が写っている写真には漏れなく、元カレの顔に似た人が写り込んでいるのです。
怖くて怖くてたまらなかったです。
私はなんとなくですが、このままにしておくと良くない気がしました。
だから数年ぶりに彼のお墓参りに行ったのです。
実はお葬式の日から一度も彼のお墓には近づいたことがなかったです。
久しぶりにお墓参りして、なんとなく、これで大丈夫というような気がしました。
肩の荷が軽くなった気がしました。
その帰る途中の道端に黄色い可憐な花を見つけて、それを持ち帰って花瓶にさしました。
本当に特に意味はなく、単に可愛かったからちぎって持ち帰ってきた花でした。
だけど、それを家に飾っていたら、遊びにきた友達から「弟切草好きなの?」と聞かれたのです。
花の知識に詳しい友達でした。その友達から聞いてびっくりしたことがありました。
なんでも弟切草の花言葉には「敵意」「恨み」があるのだそうです。
私が元カレのお墓参りの帰り道に偶然拾った花にまさかそんな意味があったとは思わなかったです。
もしかしたら元カレは今も私を恨んでいるのかもしれません。
慎んでご冥福をお祈りします。
このタイトルが、全国の腐女子に突き刺ささりそうですね。