死にたいの?
投稿者:ぴ (414)
初めて働いた職場はあからさまなブラック企業でした。
あまりの忙しさに思考力が低下し、心が麻痺して、仕事量があきらかに多すぎたのにそれにも気づくことなく、プライベートを切り詰めて仕事をしていました。
そんな徹夜で勤務した職場で、私はうっかり数分くらい居眠りしていました。
そして目が覚めると、耳元で低い女性の声が聞こえたのです。
「死にたいの?」と淡々とした低めの声でした。
その言葉にハッとして目が冴えて、周りを見回しました。
確かに耳元で声がしたはずなのに、周辺には誰もいなかったのです。
おかしな幻聴は徹夜明けの疲れからくるものだと思って、その日は無理を言って仕事を休ませてもらいました。
そして久しぶりに家でぐっすり眠りました。疲れがやっと取れた気がしました。
しかし、同じように社内で一人残って残業していると、度々同じ幻聴が聞こえたのです。
私はだんだん気味が悪くなってきて、同じ職場の先輩に相談しました。
そしたらその職場の先輩が過剰に反応しました。
その人は「え?私も同じの聞こえるんだけど」と言ったのです。
なんでもその先輩も徹夜明けの勤務中に同じように「死にたいの?」ていう女性の声を聴いたそうです。
さすがに同じ幻聴を聞くのは不可思議です。
それをきっかけに現状の異常さや過労死一歩手前な働き方なことに気づくようになりました。
私はその後、この怪奇現象が怖いという理由で辞表を出しました。
偶然同じ頃、同じく先輩も仕事を辞めました。
仕事を辞めた後で聞いた話ですが、あのブラック企業では一人、過労で亡くなった女性がいたそうでした。
後で知ったときぞぞっとくるものがありました。
もしかしたらあの声はその人の声だったのかもしれません。
私たちももしあのままあそこで働いていたら同じように過労死していた可能性があるのです。
怪奇現象に怯えた私たちですが、もしかしたらあれは過労死した人の幽霊からの助けの声だったのかもしれません。
いい話だけど少し怖いというかぞくっとする話ですね😞