老婆の住む家
投稿者:鼠の子 (1)
借家を探していた私達家族のところに、戸建、車庫付き、庭付きの上、家賃もこの地域の相場よりかなり安く、なおかつリフォーム済みという申し分なしの物件が見つかり、即決しました。
内覧に行った日の夜、私は新居に行く夢を見ました。玄関を開けるとそこには見知らぬ老婆が腰掛けている夢だったのですが、なぜかそれは強く印象に残っていました。
無事に引っ越しが終わりましたが、しばらくすると、私は体調を崩すようになりました。不眠、耳鳴り、めまい…。病院通いの毎日に加えて、夫婦の関係も悪くなりついには離婚。
実は引っ越してきてから、ずっとこの家に、私達家族の他にも誰かがいる気配を感じていました。誰もいないはずの二階から音が聞こえたり、閉めたはずのドアが勝手に開いたり。日常すぎて怖いという感情はなく、感覚がマヒしていたのかもしれません。
離婚して、寝室には私1人となったある日、それはとうとう姿を現しました。眠りについてすぐ、金縛りにあい苦しんでいると、ドアが開き誰かが入ってくる気配を感じました。ゆっくりと歩いてきて私の横でピタッと止まり上から私を見下ろしていたのは、なんとあの日、夢で見た老婆だったのです。
それからすぐに引越しをしたのは言うまでもありません。
老婆は自分の家だから私達に出ていって欲しかったのでしょうか。
引っ越し後、あんなに悩まされていた体調不良も嘘のようによくなりました。
退去の立会いの時、大家さんと不動産屋さん両方が「どうして退去するんですか?何かありました?」としつこく聞いてきて、やっぱりそういうことか…と。
綺麗なのに家賃が安い家は要注意です。
事故物件