部屋の水漏れ
投稿者:ぴ (414)
慌ててホテルの直通電話で呼び出そうと受話器を取りました。
だけど、ぜんぜん電話が繋がらないのです。
何度か電話してやっと繋がったと思ったらすぐにホテルマンがやってきてくれました。
部屋に招きいれて、ベッドの下の水漏れを指摘すると、ホテルマンはすごく焦っているようでした。
なんでもそのホテルでこんなトラブルが起こったことはないみたいで、ホテルマンの人もバタバタしていました。
私は内心ちょっと寒気を感じました。
だって自宅のマンションと同じようなことがこのホテルでも起こってしまったからです。
そうなると問題はマンションやホテルなんかじゃなく、自分なんじゃないだろうかという疑問が沸きました。
もしかして水漏れは自分を追いかけてきているのかと思ったのです。
そんなことを考えていたら、急にホテルマンの一人が「お客様どうしました?」と驚いた表情で言いました。
その張り上げた声に驚いて、何がどうしたのか分からなかった私にホテルマンが私の首を指摘したのです。
私は訳が分からずに言われたとおりに鏡で確認して驚きました。
だって私の首にまるで誰かに手で絞めつけられたみたいな赤い痣ができていたからです。
そういえば、起きたときに息苦しさを感じたし、息が上がっていたことを思い出しました。
そしてゾゾゾッとすごい寒気が押し寄せてきました。
私は何かに取り憑かれているのではないかとその時初めて思ったのです。
自宅で相次ぐ不審な水漏れもいろんな場所で頻発していたし、さらに原因も不明で気持ち悪くてたまらなかったです。
もしかして私がこれまでにした何かによって、変なものに取り憑かれているのかもしれないと想像して怖くなりました。
その日は急遽案内された別の部屋で泊まり、あまり眠れないまま朝を迎えました。
朝になると首筋の痣はだいぶ薄くなっていたけど、やっぱり誰かに首を絞められたみたいな跡になっていました。
身も心もぐったり疲れて自宅に帰ってきたのです。
そしてマンションのドアを開けようとして悲鳴を上げました。
だってドアの隙間から水が漏れていたからです。
ここにまで水漏れが発生しているのを発見して、私はあまりの恐怖ですぐに管理人に電話をしました。
その日はその部屋に戻ることなく、そのまま友達の家に泊まらせてもらいました。
翌日に管理人が確認してくれたのですが、管理人が私のマンションに訪ねたときは、玄関では水漏れしていなかったそうです。
しかし、代わりに寝室のほうで水漏れを確認したらしく、ひたすら謝ってくれました。
それから管理人と話し合って、引っ越すことが決まりました。
管理人のほうも理由が理由なので引き留めることもできず、ずっと謝り倒しでした。
別のマンションに転居しても、私はなかなか気が休まらなかったです。
お疲れ様でした。